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REALTOKYO寄稿家と編集部スタッフが選ぶ 2012年「私の10大イベント」

金環日食と東京スカイツリー開業で空を見上げ、ロンドン・オリンピックのメダルラッシュに大興奮、自民党圧勝でついに政権が交代。残念至極な訃報も相次ぎました。そんな2012年の1年間に、REALTOKYOの寄稿家とスタッフが「これはよかった!」とぞれぞれの独断と偏見で太鼓判を押す「私の10大イベント」。今回で6回を数えるこの企画、一挙大公開です。

Date: February 08, 2013

選者:澤隆志

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1 art ヴァンジ彫刻庭園美術館  開館10周年記念展 庭をめぐれば
2 cinema ホン・サンス/恋愛についての4つの考察『次の朝は他人』
3 cinema ドライヴ
4 cinema イメージフォーラム・フェスティバル2012ザ・フューチャー
5 cinema Playback
6 art Lineament さわひらき展
7 stage KAFE9/池田扶美代×ティム・エッチェルス『in pieces』
8 art 『オープン・スペース2012』ジュリアン・メール
9 cinema カリフォルニア・ドールズ ニュープリント版
10 stage 快快-faifai-『アントン、猫、クリ』

一日にイベントをはしごする東京の日常から切り離された1は、豊かで異質な体験が印象深かった。近郊美術館への小さな旅はオススメ。2, 5, 7, 10は繰り返しつつも更新される記憶と知覚のせめぎ合い。三宅唱は我々の持つ映画的記憶を物語にうまく溶け込ませていた。ホン・サンスはもはや様式美! 3のオープニングシーンは映画の良心。4は感傷から物理への飛躍。感情から最も遠い映画だと思う。広大な空間にいながらも、6はレコードの針先に、8はアーティスト/マジシャンの指先に釘付けになるスリルを体感。9はシアターNのクロージング作品。ラストのドールズ登場シーンは、プロデューサー、広報、物販など全ての興行師の夢である!!

 

 

選者:白坂ゆり

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art Madness is part of Life by Ernesto Neto
art AND ZONE ―「と」の空間に火をつける 泉イネと林道郎と廣田あつ子と中村恩恵とダンスサンガ
art さわひらき Whirl
art しりあがり寿★ワールド ゆるとぴあ
art Making Situations, Editing Landscapes 風が吹けば桶屋が儲かる
design 田中一光とデザインの前後左右
design KATAGAMI Style 世界が恋した日本のデザイン
design 古道具、その行き先-坂田和實の40年-
art アートアクセスあだち 音まち千住の縁
art 寺尾勝広・新木友行・湯元光男―アトリエ インカーブ3人展

東京以外の地域での独自企画が増えていて、志賀理江子展(せんだいメディアテーク)や中原浩大展(伊丹市立美術館)、横尾忠則現代美術館開館(神戸)なども挙げておきたい。巡回したホンマタカシ展は、最終地の丸亀市猪熊弦一郎現代美術館が、草間彌生展は故郷の松本市美術館が一番よかった。「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2012」は、10年を過ぎて「ローカルの問題を世界で共有する国際展」として見えた。「3.11とアーティスト:進行形の記録」(水戸芸術館)は、現在の動きを集めて一つの「場」づくりを試みていた。「音まち」の足立智美の「ジョン・ケージ『ミュージ・サーカス』」と野村誠の「だじゃれ音楽」は続けていく中で大化けしそう。

 

 

選者:乗越たかお

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stage ダンストリエンナーレトーキョー2012
stage トヨタコレオグラフィーアワード2012
stage 横浜ダンスコレクション2002-2012「十年十色」
stage バットシェバ舞踊団『Sadeh21 -サデ21』
stage BATIK『おたる鳥をよぶ準備』
stage 康本雅子『絶交わる子、ポンッ』
stage レッドブル・フライング・バッハ
stage 麿赤兒×笠井叡『ハヤサスラヒメ』
stage KENTARO!! ソロダンス『雨が降ると晴れる.2』
stage 「エルスール財団新人賞」授賞式

様々な意味で「節目」を感じさせた年だった。内容の充実を見たトリエンナーレの最中に青山劇場・円形劇場の閉鎖を厚生労働省が発表、反対運動が起こる一方で、神楽坂ディ・プラッツが閉館。新人賞が新設されつつ、おなじみの賞にも新しい顔ぶれが登場してきた。ヒップホップとクラシックの融合や、舞踏の二大巨頭の顔合わせなど「融合」の成果も見られた。また「震災後の異常な状況下で日常を生きる」ことを描く骨太の作品が「生む性」である女性振付家を中心に作られた。KENTARO!!は12日間連続公演という、日本の上演形態への挑戦。そしてバットシェバ舞踊団のナハリンは、世界の悲劇の先に、アートこそが持ちうる希望を示してくれた。

 

 

選者:福嶋真砂代

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cinema ヴァージン(ふかくこの性を愛すべし)
cinema 人生はビギナーズ
cinema 少年と自転車
cinema きっとここが帰る場所
cinema 聴こえてる、ふりをしただけ
cinema 桐島、部活やめるってよ
cinema ボブ・マーリー ルーツ・オブ・レジェンド
cinema 映画と恋とウディ・アレン
cinema 死刑弁護人
cinema ウォリスとエドワード

特に編集のおもしろさが光る邦画に出逢えた。なかでも『桐島、部活やめるってよ』は学園映画の新しいカタチとポテンシャルを提示。また衝撃的だったのはオムニバス『ヴァージン』の『ふかくこの性を愛すべし』(吉田光希)、映像のクールさと女性のコアを捉える熱の高さ、その温度の融合が見事。『聴こえてる、ふりをしただけ』はシンプルだが子供の内面を鋭く描いた。野中はな(聴こえてる…』)と正木佐和(『ふかくこの性を…』)にはW主演女優賞を。ドキュメンタリーではボブ・マーリー、ウディ・アレンの秘蔵映像満載の貴重な2本と、地味なテーマを粘り強く追った『死刑弁護人』は特筆すべき。今年も映画オンリーの10本になりました。

 

 

選者:前田圭蔵

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1 stage ARICA 第20回 新作公演「恋は闇/LOVE IS BLIND」
2 cinema ル・アーヴルの靴みがき
3 music 山下達郎 Performance 2011-2012
4 stage マームとジプシー『ワタシんち、通過。のち、ダイジェスト。』
5 art シャルダン展―静寂の巨匠
6 stage 劇団唐組第50回公演『虹屋敷』
7 stage アラン・プラテル/les ballets C de la B『OUT OF CONTEXT – FOR PINA』
8 music サウンド・ライブ・トーキョー/菊地雅章 1st & 2ndセット
9 stage バットシェバ舞踊団『Sadeh21 -サデ21』
10 music コリン・カリー・グループ ライヒ《ドラミング》ライヴ

昨年は仕事多忙で、見に行けなかった公演や展覧会も多かった。映画ではアン・リンセル監督『ピナ・バウシュ 夢の教室』やヤン・ヨンヒ監督『かぞくのくに』も印象的であった。また、新宿ロフトで久しぶりに見た戸川純のライブは、長い闘病生活を送りながらも、力強い歌唱で心に沁みた。

 

 

選者:松丸亜希子

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cinema セイジ―陸の魚―
stage ARICA 第20回 新作公演「恋は闇/LOVE IS BLIND」
cinema ル・アーヴルの靴みがき
cinema 少年は残酷な弓を射る
cinema ミッドナイト・イン・パリ
cinema テイク・ディス・ワルツ
cinema 夢売るふたり
cinema ル・コルビュジエの家
cinema ホン・サンス/恋愛についての4つの考察
cinema 第13回東京フィルメックス

観た順に。諸事情あって試写にも劇場にもなかなか出かけられず、映画はサンプルDVDを借りることが多くなってしまいました。だけど、やっぱりみんなと一緒に感動を分かち合いたい! 取材もしたい! 自由な時間がほしい!!!

 

 

選者:ヨコウチ会長

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1 stage 「だから女はめんどくさい」出版記念『安彦麻理絵とブス会パーティー!』
2 stage 劇団唐ゼミ☆『吸血姫』
3 stage 城山羊の会『あの山の稜線が崩れてゆく』
4 stage 城山羊の会『スキラギノエリの小さな事件』
5 stage 毛皮族の軽演劇WXYA『演劇の耐えられない軽さだネッ』W演目「Wの喜劇」
6 stage muro式.6『グラフ』~その式を、グラフで表しなさい、~「ロース」
7 stage ミュージカル『ラ・マンチャの男』
8 stage 第3回ブス会*『女のみち2012』
9 cinema ピナ・バウシュ 夢の教室
10 cinema 夢売るふたり

自分が心から笑って、心から泣いて、つくづく面白いな~、と思ったものをここでは10、選びましたが、載せきれなかった作品については、ブログ「14歳と288ヶ月・別館」に掲載いたしております。

 

 

選者:河内山シモオヌ

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1 stage 2ピアノ4ハンズ
2 stage シュツットガルト・バレエ団『じゃじゃ馬馴らし』
3 stage ミリオンダラー・カルテット
4 stage ウィーン国立歌劇場『アンナ・ボレーナ』『フィガロの結婚』
5 stage ウィーン・フォルクスオーパー『こうもり』『メリー・ウィドウ』
6 stage ボリショイ・バレエ『スパルタクス』
7 cinema 預言者
8 cinema 第25回東京国際映画祭
9 art 会田誠展「天才でごめんなさい」
10 cinema 演劇1・2

来るのを数年待ち、当日はもう祭り状態で観たら驚きと確信がもたらされ、それが自分の中で持続的な思考となり、また止むことのない人間考察に繋がっていく。2012年は、そういうすばらしい作品・カンパニーが揃いました。8は特に『ストラッター』『もうひとりの息子』『サイド・バイ・サイド』そしてロジャー・コーマン氏と、TIFF関連イベントの『ポーランド映画祭』へ。

 

 

選者:PPQ(フジカワ・PAPA-Q)

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1 music FOOD日本ツアー2012
2 music モリイクエ「黄表紙プロジェクト」
3 music NO NUKES 2012
4 music JAZZ ART せんがわ2012
5 music ランディゴ
6 music SUKIYAKI TOKYO 2012
7 music ペンギン・カフェ 来日公演
8 music ゆったりライブの旅 フェスティバル2012
9 music meadow Japan tour 2012
10 art アートと音楽-新たな共感覚をもとめて

音楽イベント10選。3はクラフトワーク、YMO、忌野清志郎(映像で)等出演の坂本龍一主催の反原発フェス。そして勿論、多くの反原発デモ~パレードは重要な出来事(今年もね!)。4は巻上公一がプロデュースする即興音楽フェス。5はフジロック出演のレユニオンのバンドの単独公演。6は富山のスキヤキ・ミーツ・ザ・ワールドに来日した3組の単独公演。10は生誕100年のジョン・ケージの名曲「4分33秒」の演奏の映画の上映が良かった。しかし、最大のびっくりイベントは、やはり師走の選挙だったか? 暗黒の4年間が始まるという説もあるが、これもまた歴史のヒトコマだ。愛と希望でノリと気合いで、明日に向かってサバイブしようぜ!