
すべての記憶が吹き飛ぶほど大きな出来事があった2011年。3.11後、東京から街の明りが消え、数々のイベントが中止・延期に。徐々に都市の機能を取り戻した東京を、イベントを求め駆け巡りました。REALTOKYOの寄稿家とスタッフが「これはよかった!」と、ぞれぞれの独断と偏見で太鼓判を押す「私の10大イベント」。2007年から継続しているこの企画、遅ればせながら一挙大公開します!
選者:小崎哲哉
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高嶺格:とおくてよくみえない |
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Chim↑Pom: REAL TIMES |
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名和晃平:シンセシス |
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大規模修繕劇団:血の婚礼 |
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ヨコハマトリエンナーレ2011(の田中功起とクリスチャン・マークレー) |
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産廃サミット |
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維新派:風景画-東京・池袋 |
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TERATOTERA 祭り(の「TOKYO-FUKUSHIMA!」) |
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やなぎみわ演劇プロジェクト:1924 海戦 |
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清水靖晃&サキソフォネッツ:zig-BACH-zag-PENTA |
開催順。福島で開催された『フェスティバルFUKUSHIMA!』も、もちろん忘れがたいイベントでした。
選者:河内山シモオヌ
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フィレンツェ歌劇場 トスカ(ゲネプロ) |
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帝劇開場100周年記念公演 レ・ミゼラブル |
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第24回東京国際映画祭 |
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楽天・ジャパン・オープン・テニス・チャンピオンシップス2011 |
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ベルリン国立バレエ団 チャイコフスキー |
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アメリカン・バレエ・シアター スペシャル・ドン・キホーテ |
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ワンヴォイス |
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ゴモラ |
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マネーボール |
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幕末太陽傳 デジタル修復版 |
帰国命令により『トスカ』の上演は3月13日の一回でしたが、10日のゲネプロがすばらしく、あの本番を観た人がいる! と思うと、安心感のような深い感動がこみあげてきました。メータは4月に日本へ戻りコンサートを指揮。途切れない活動の高い公共性を示しました(1)。鉄道事業のサービスを応用した帝劇と、数トンの装置を操作するための手動のレール合わせ。二つのシステムの端に観客として乗る最後の機会でした(2)。特に『プレイ』『プロジェクト・ニム』『ドラマーズ・ドリーム』『明日を継ぐために』『メカス×ゲリン 往復書簡』『ティラノサウルス』『アナザー・ハッピー・デイ』『黒澤 その道』へ(3)。大会規模を上回る好カード(4)。以下開催順。
選者:澤隆志
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お家をさがそう |
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杉本文楽 木偶坊 入情 曾根崎心中付り 観音廻り |
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openFrameworks Tokyo v0.01 |
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四つのいのち |
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ミッション:8ミニッツ |
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ひらのりょう:夢みたいな毎日 |
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新井卓:夜々の鏡/Mirrors in Our Nights |
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監督失格(『イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ』とのカップルで) |
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サイレント・ナレーター それぞれのものがたり 特集展示:石田尚志(『名和晃平:シンセシス』とのカップルで) |
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犬塚勉:純粋なる静寂 |
傷つき、怒り、無垢な子供ではいられなくなった311以降の日本。東京でも3月末の映画館は観客の感度3割増な印象でした。皆で同じ空間を共有する喜びを再確認。ときどき揺れていたけど。1、4などは去年にこそ見られて良かったです。2は漆黒に浮かんだ虚像と狂愛。杉本文楽という"銀塩写真"だと思った。5、6は構造と追想。8、9は「表現」の幅を堪能するためにもカップリングで体験するとより楽しい。こういうセルフキュレーションがいくらでも可能なのが東京の面白いところなのだろう。そして3、小さいイベントだがすごく考えさせられました。60年代に映画で何かができる! と燃えた若者の情熱は、今こういう場所で見られるのかなと。
選者:白坂ゆり
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畠山直哉展:Natural Stories ナチュラル・ストーリーズ |
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TERATOTERA 祭り の「TOKYO-FUKUSHIMA! LIVE!」 |
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イケムラレイコ うつりゆくもの |
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あるべきようわ 三嶋りつ惠展 |
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MAM PROJECT 04:田口行弘 |
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『New Vision Saitama 4:静観するイメージ』ほかの荻野僚介 |
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『ソーシャルダイブ』ほかの竹内公太 |
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眞島竜男[右/左]再演 |
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小金沢健人 プライベートビュー |
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ハンス・ヨゼフソン 展 |
石炭の採掘現場などの風景写真に加え、出身地である陸前高田の震災前後の写真を出品した畠山さんの個展では、流されることなく、自分を差し出そうという態度の決め方に一番学びました。3月11日を境とする大きな変化の後、それまでやってきたことを慎重に吟味して展覧会に挑む作家たちの話を聞くことができました。「ソーシャル・ダイブ」で一番興味を持った竹内公太さんとおぼしき人をふくいちライブカメラで見ることになるとは思わなかったし、田口行弘さんや岩井優さんなど若い作家のタフさも感じています。TOKYO-FUKUSHIMA! LIVE!の遠藤ミチロウさんもすごかった。イベントではないけど、漫画家の五十嵐大介さんの『海獣の子供』が無事完結し、取材できたことは2011年最大の喜びでした。
選者:福嶋真砂代
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永遠の僕たち |
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ブンミおじさんの森 |
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エンディングノート |
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グッドハーブ |
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無言歌 |
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フレデリック・ワイズマンのすべて『臨死』 |
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無常素描 |
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大津波のあとに/槌音 |
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Peace |
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METライブビューイング『サティアグラハ』 |
2011年は死に向き合う良い作品が続いた。父親が自らの死をプロデュースする様子を娘の目で撮った砂田麻美、アルツハイマーの母とその娘を優しいハーブの香りで包んだマリア・ノバロ、魂の永遠性をファンタジックに描いたガス・ヴァン・サント、砂漠の収容所で人の生死を淡々と撮ったワン・ビン、独自の死生観を表現したアピチャッポン・ウィーラセータクン、究極はレトロスペクティブで上映されたワイズマン流の命の終点。さらに311大震災後、静かに犠牲者の魂に寄り添った2本は鎮魂の詩として心に刻まれた。他には想田和弘の秀逸なドキュメンタリーと豪華演目のMETのなかでも異色のオペラ『サティアグラハ』が印象深い。(敬称略)
先日発表されたグラミー賞の最優秀オペラ録音の受賞作は、METによる『ドクター・アトミック』(原爆の父オッペンハイマー博士を描くジョン・アダムズの作品)だった。そして、10で特別に演奏された「ゴジラ伝説」(伊福部昭の作品)は強力。7はLPジャケットも素敵だが、第五福竜丸(ラッキードラゴン)の作品を忘れるなかれ。さて、1(特にコブラ)、2、9にはシビれた。ヨコトリ関連の4はNY在住の若手日本人作家3人展、5はマークレー作品を巻上が日本初演。世界の中で音楽の発するヴァイブスはいつもの様に只そこに存在している。生きているとは、そこに吹く風を感じる事だ(開催順。夏以前は記憶不明)。ところで、人生に意味などなく、社会はそもそもデタラメだ。が、だとしても/だからこそ、ただ愛のためだけにサバイブしよう。問いかけながら道を行け!
選者:前田圭蔵
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黒沢美香:映画『パブの中』上映記念のための即興ソロ・ダンス |
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シンディ・ローパー ジャパンツアー 2011 |
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アート・リンゼイ:一連の来日公演 with 小山田圭吾/大野由美子/相対性理論、菊地成孔、大友良英 相対性理論 presents 解析III DATE COURSE PENTAGON ROYAL GARDEN:ALTER WAR & POLYPHONIC PEACE Arto Lindsay・大友良英 |
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森川弘和×青柳拓次『Re:AAAA』 |
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クリスチャン・マークレー「ザ・クロック」(ヨコハマトリエンナーレ2011参加作品) |
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維新派:風景画-東京・池袋 |
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mama!milk: Duologue and Dialogue for 'Nude' |
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ヴァレリー・アファナシエフ ピアノリサイタル:リストとその時代へのオマージュ~「葬送」~ |
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清水靖晃&サキソフォネッツ:zig-BACH-zag-PENTA |
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野獣の青春(鈴木清順監督特集『鈴木清順 再起動!』) |
一昨年末に、それまで活動の基盤であった事務所が閉鎖され、俗にいう失業状態を経験した。そして3月に震災が起き、さらに福島原発は大事故に見舞われた。自発的に、というわけではなく、自分一人の力ではどうにもならない事態に次々と直面したそのような時におそらく考えていたことは、「自己を見つめ直す」などということではなく、この厳しい現実をなんとか受けとめ、今、自分にできることをこつこつとしていこう、ということだ。だから今までと同じように、劇場や映画館や美術館に足を運び、そこでか細くも逞しい精神の数々に出会った。
※その他、仕事としても関わった「フェスティバル/トーキョー」では多くの興味深い作品が上演された。
選者:松丸亜希子
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その街のこども 劇場版 |
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ちづる |
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奇跡 |
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『へばの』英語字幕版上映 |
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庭にお願い |
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Arto Lindsay・大友良英 |
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エッセンシャル・キリング |
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フレデリック・ワイズマンのすべて |
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ワン・ビン(王兵)全作一挙上映! |
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ジェローム・ベル:ザ・ショー・マスト・ゴー・オン |
観た/聴いた順に、泣いたり笑ったり、感情を揺さぶられたものを中心にピックアップ。映画はここに書ききれないくらい秀作ぞろいの1年でしたが、後半はワイズマン、ワン・ビン両監督の特集上映にどっぷり浸り、至福の時間を過ごしました。REALTOKYOとしては圏外の『フェスティバル FUKUSHIMA!』は、お盆の最中、日帰り遠征した甲斐のあるイベントでした。