維新派はめったに東京公演をやらないので、犬島、大阪、琵琶湖、さいたま等に観に行っていたのですが、一番思い出深いのは、晴れている、というのに中止になった大阪『キートン』。中止になっていることも知らず、ダイヤ乱れまくりの中、ノロノロの新幹線で大阪まで行ったのに、まさかの中止、そしてどう見ても晴れている……。前日まで台風で、照明機材チェックのためということでしたが、宿までとって大阪まで来たのに、結局、鶴橋で焼肉を食べて帰っただけでした。この苦い思い出をさらに苦くしたのが、台風直撃中にもかかわらずテントで芝居をしていた唐組！ 「唐十郎先生は東京で台風の中やっているのに」「昔、少年王者舘が野外公演を中止したとき『王者舘は、ヤワやな』と松本雄吉先生がおっしゃっていたのに……」「松本先生がおわび脱糞ショーでもやってくれたら、満足して東京に帰れたのに」と、今でも愚痴で酒が呑めるほどです。今回の公演も、雨で中止になるかどうかは、なんと当日までわからないそうですが、中止にならないように、照明機材を雨天用に組み立てていただけると幸いです。だからといって荒天の中、レインコートを着ての10月の野外観劇は本当にキツイので「晴れてください」としか言いようがございません。（琵琶湖公演が、寒くて芝居を観るどころではありませんでした。）っていうか、お願いだから、せめて客席に屋根をつけてほしいと切実に思います。維新派だったらそれくらい、お茶の子さいさいだと思いますので!!　それから、もし中止になったら、唐組『西陽荘』（週末のみの公演ですが）を観に行く、という別の選択肢も用意すると、中止の際のガッカリ感が減ると思います。唐組が中止になることは、まず、ございませんので……。しかも唐十郎さまは、寒かろうがなんだろうが、自ら水に入ってくれることでしょう。だんだんどっちを薦めているのかわからなくなってきましたが、とにもかくにも私は……両方行きます！

By ヨコウチ会長 September 7, 2011