
REALTOKYOの寄稿家とスタッフが「これはよかった!」とぞれぞれの独断と偏見で太鼓判を押す「私の10大イベント」。毎年恒例、今回で8回を数えるこの企画、一挙大公開です。
選者:うにたもみいち
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パルコ・プロデュース『母に欲す』 |
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城山羊の会『トロワグロ』 |
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パラドックス定数『昭和レストレイション』 |
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鵺的『毒婦二景』 |
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水の声を聞く |
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リアリティのダンス |
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『奥山順市 未現ゾーン』フィルムヲ見ル会16mm8mm映画探訪vol.3 |
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パリ・オペラ座へようこそライブ ビューイングシーズン2『バランシン/ミルピエ』 |
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モルゴーア・クァルテット |
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オペラ『死の都』 |
四谷怪談と忠臣蔵の関係同様、阿部定と2・26事件もまた表裏一体だ。そんな社会学的興味を喚起する舞台が昨春、パラドックス定数、鵺的、さらに流山児事務所『阿部定の犬』など集中的に上演された。悪女論は韓国でもナッツ姫騒動と『私はチャンボリ』のミンジョンによって盛り上がり、私もそこにハマった。ミンジョンといえば同じ名を持つ女主人公を描いた『水の声を聞く』には心底圧倒された。本作を監督した山本政志の過去作品上映企画もホドロフスキーやタチのレトロスペクティブ同様に有難かった。有難いといえば、昨今のライヴヴューイング普及により上記以外でも英国ナショナルシアターや『ビリー・エリオット』等、大傑作を安く見れて至福。
選者:河内山シモオヌ
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五月文楽『女殺油地獄』『鳴響安宅新関』 |
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鳳凰祭四月大歌舞伎『曽根崎心中』 坂田藤十郎一世一代にてお初相勤め申し候 |
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リヨン歌劇場『ホフマン物語』 |
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パリ・オペラ座バレエ団『椿姫』 シアラヴォラ×ガニオ |
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アメリカン・バレエ・シアター『マノン』 ヴィシニョーワ×ゴメス |
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ボリショイ・バレエ『ラ・バヤデール』 ザハーロワ×ラントラートフ×アレクサンドロワ |
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第27回東京国際映画祭 |
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フランシス・ハ |
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誰よりも狙われた男 |
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6才のボクが、大人になるまで。 |
宇宙人(のような理解を超えた世界観と変わった言語)に会いたい──こんな願いが叶いやすかったのは古典です。曽根崎を筆頭に歌舞伎座の松浦、白浪、勧進帳(鳳凰祭)、素襖落、名月八幡祭、修禅寺、天守、たぬき、勧進帳(顔見世)。国立劇場44年ぶりの岡崎。映画祭は部門問わず中東の作品が出色でした。コンペではここ2年、若い監督によるインディーズ系の映画がグランプリを受賞。身近で盛り上がるのは、むしろ無冠の予想がつく作品の面白さ。その状況は時に映画より映画的です。『パラダイス3部作』『ホドロフスキーのDUNE』、消滅したnatural tiff部門で取り上げた『聖者たちの食卓』など、過去の優れた上映作も一般公開されました。
選者:澤隆志
手術などでダメダメだった2014年、のほぼ見た順。1はアレクセイ・ゲルマン入魂の遺作で2015年ロードショー公開決定の泥地獄! 邦題が残念だけど。2,4,6は展覧会の導線がストーリーラインでもあるという好例。4は監視員さんもノリノリなのが良かった。6は特に福岡道雄「何もすることがない」に感動! 何もすることがなくて同名の書籍を読んでいた頃が5の1995年だった。章立てが心地よく、何時間も美術館にいた。十年ごとに開催してほしい。10の赤瀬川さんにどっぷりハマっていたのもちょうどこの頃。東京オリンピックの開会セレモニーはこれでいいやと思った3、回転Hi-Bizお尻祭りの8、配役も音楽も素晴らしく、じわじわ笑える9など、終わってみればバラエティに富んだ1年だった。
選者:ふかさわ・めぐみ
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地点『光のない。』 |
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CRUSH THE TYMKS『幽霊坂としのののめ』 |
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春のガヤ祭り ブラックバージョン |
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日本女子体育大学 ダンスプロデュース研究部『ぴちぴちちゃぷちゃぷらんらんらん'14』 |
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家族の灯り |
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闇のあとの光 |
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罪の手ざわり |
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「たよりない現実、この世界の在りか」展 |
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田中信太郎 岡崎乾二郎 中原浩大:かたちの発語展 |
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雅楽以前──国立劇場の復曲をふりかえる |
舞台制作者向け講座につきランク外とさせてもらったが、東京芸術劇場で6月に行われた『舞台技術セミナー 舞台照明の役割』は舞台鑑賞の視野を広げてくれ興味深かった。書籍では塩田明彦著『映画術』(イーストプレス)が、監督自身による古今東西の名画における演出の裏側解読で、映画の楽しみををより深めてくれた。同様に写真家自身が語る写真論、ルイジ・ギッリの『写真講義』(みすず書房)の翻訳がようやく刊行になったのも嬉しい。最後に佐々木昭一郎の新作『ミンヨン 倍音の法則』公開を記念し、NHK BSにて過去の作品やメイキングが一挙に放映されたことも今年の収穫として挙げておきたい。
選者:福嶋真砂代
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ピクニック |
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365日のシンプルライフ |
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聖者たちの食卓 |
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her 世界でひとつの彼女 |
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収容病棟 |
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イブ・サンローラン |
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パラダイス3部作:愛/神/希望 |
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チョコレートドーナツ |
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フタバから遠く離れて 第二部 |
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恋につきもの 豆腐の家 |
忘れられないもの10。知的な実験『365日のシンプルライフ』の登場人物(特に祖母と母)の笑顔。『聖者たちの食卓』から溢れるインドの生命力。『her 世界でひとつの彼女』の快適な没入感。ザイドルメソッド『パラダイス3部作』のぶっ飛びの超越度。『収容病棟』で中国の深い闇にもまして「本当の幸せとは」に迫るワン・ビン。『イブ・サンローラン』のふたりのコメディフランセーズ役者の美と演技力。『豆腐の家』の新鋭五十嵐耕平の新感覚。舩橋淳の粘り強い探求と知的分析力。『チョコレートドーナツ』の愛らしさ。最後の作品かもしれないツァイ・ミンリャン『ピクニック』のシャオカンの慟哭とキャベツはダントツ1位に。(敬称略)
印象的な10本(が、何故か夏のフジロック以前は記憶無し・苦笑)。1:東京JAZZ2014の一環、オランダの世界的フリー系楽団は面白い。2:巻上公一プロデュースの先端的魅力的音楽祭は7年目。3:祝60歳! 越智兄弟、元ちとせ等ゲストも豪華。4:世界的なブラス楽団&ジンタらムータ等による都市の祝祭。5:祝60年! 武満徹&一柳慧作品でのソリストは素敵。同時期の聲明も最高。6:ライト・マイ・ファイア! だぜ。7:デンマークのサックスとピアノ中心の深いジャズの宵。8:年末恒例の熱いエゴラッピンはイカす。9:30〜40年代のNYのジャズ&ダンス映画はご機嫌。10:今や、既に、現実は映画を超えているのか? 忌野清志郎セッド「地震の後には戦争が来る!」
選者:前田圭蔵
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ピナ・バウシュ ヴッパタール舞踊団『KONTAKTHOF ―コンタクトホーフ』 |
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BOB DYLAN |
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アルド・チッコリーニ ピアノ・リサイタル |
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山田うん×高橋悠治:サティ「星たちの息子」全曲版 |
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SPAC-静岡県舞台芸術センター『マハーバーラタ 〜ナラ王の冒険〜』 |
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Dance New Air 2014 -ダンスの明日 『To Belong / Suwung』振付・演出・出演:北村明子 |
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劇団唐組『紙芝居の絵の町で』 |
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アート・リンゼイ |
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フェスティバルFUKUSHIMA!@池袋西口公園 |
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ミクニヤナイハラプロジェクト『桜の園』 |
1:86年初来日時の衝撃を思い出した。佳い作品は色褪せない。2:益々躍動する"神様"4年ぶりの来日。近年でも最高の出来映えに痺れた! 3:円熟ここに極まる。4:サティの曲をモチーフに高橋のピアノが空気を揺らし、山田のダンスを透明にする。5:アヴィニョンで喝采を浴びた宮城聰演出による凱旋公演。6:ダジュディンとのコラボで北村の長い探求が結実。7:唐十郎の脚本を久保井研が好演出。こんな劇団、世界に一つしかない。8:バンドでの来日公演は久々。新譜にも期待大! 9:FT14のオープニング。池袋西口公園一面に敷き詰められた風呂敷は圧巻。10:言葉と身体の併走を試みる会心作。個人的体験に根ざし原作の大胆な読み替えに成功。
選者:松丸亜希子
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ほとりの朔子 |
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バラダイス3部作:愛/神/希望 |
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ピナ・バウシュ ヴッパタール舞踊団『KONTAKTHOF ―コンタクトホーフ』 |
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ブルージャスミン |
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闇のあとの光 |
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ホドロフスキーのDUNE |
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リアリティのダンス |
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物語る私たち |
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フランシス・ハ |
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悪童日記 |
夏に転居して新潟県民になったため、首都圏でのイベント通いがなかなか難しい状況に。もしかしたら10大イベントへの参加は、これが最後になるかも? しかし2015年は越後妻有アートトリエンナーレが開催されることだし、音楽なら湯沢町のフジロック、ステージなら新潟市のりゅーとぴあと、豊かなカルチャーはこっちにもあります! 面白いイベントがあったらRealCities:from Niigataでレポートしますよ〜。
選者:ヨコウチ会長
2014年は名作が多すぎて、なるべく「前売4千円以下」から。『失望…』『南の…』は生涯心に残る舞台。根本宗子は初見で惚れ、壱組印はロビーから祝祭感満載、テニスコートはいつだって可愛く、城山羊の会は私の殿堂入り、『海を…』は4千円超えですが、5年間毎日再演を望んだ悲願成就! その他、射手座の行動『行動・1』、五反田団『五反田の夜』、オイスターズ『どこをみている』。4千円超えではブス会*『男たらし』、ヨーロッパ企画『ビルのゲーツ』、トム・プロジェクト『淑女のロマンス』、明洞芸術劇場『半神』。映画は『ウッジョブ!』も面白かったのですが、タイトルが羞恥プレイすぎました……。詳しくはブログ「14歳と300ヶ月」で。