
REALTOKYOの寄稿家とスタッフが「これはよかった!」とぞれぞれの独断と偏見で太鼓判を押す「私の10大イベント」。毎年恒例、今回で9回を数えるこの企画、一挙大公開です。
選者:うにたもみいち
▼最も強く印象に残った1本は意外やドキュメンタリー映画。アイスランドにある世界で唯一のペニス博物館にヒトのペニスを展示させたい老館長。候補のペニスは2本。元プレイボーイの老冒険家 VS自らのペニスを"エルモ"と呼ぶ巨根米国人。実に奥深い人間喜劇だった。▼2015年は映画館で海外の優れた演劇を沢山見ることのできた年でもあった。特に英国ナショナルシアターライヴが有難かった。ジリアン・アンダーソン主演『欲望と言う名の電車』(演出:ベネディクト・アンドリュース)は、日本の全学校の演劇部員に見せたい教科書的傑作だった。▼2015年は生舞台も数多く見たが、期待値ゼロだった『HEADS UP!』の面白さにゃガツンとやられたなあ!
選者:河内山シモオヌ
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シュツットガルト・バレエ 『ロミオとジュリエット』『ガラ公演:シュツットガルトの奇跡』『オネーギン』 |
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マリインスキー・バレエ 『ジュエルズ』『愛の伝説』『ロミオとジュリエット』『白鳥の湖』 |
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ブロードウェイミュージカル『ピピン』 |
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フォックスキャッチャー |
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ディオールと私 |
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ナイトクローラー |
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12月歌舞伎公演『通し狂言 東海道四谷怪談』 |
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ブロードウェイミュージカル『ジャージー・ボーイズ』 |
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第28回東京国際映画祭 |
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ミハイロフスキー劇場バレエ 『ジゼル』 |
『シュツットガルトの奇跡』は自信に満ちた愉快なコンテンポラリー・ダンス・ガラ。メロディラインを意識させる柔らかいシュツットガルトと、太鼓があれば何でも踊れそうな強いマリインスキー。どちらも貴重だ。年末にはギエムが引退。横浜の『ボレロ』は新鮮で熱かった。バレエについて考えることは、すなわち生命に思いを馳せることだと思う。4、5、6は「void」を可視化した。映画祭では実話を元にしたコンペ数作品が主要な賞を受けた。映像に引き込まれて観た後、この描写や演技、こちらの想像を超えたところに実在の人々の生があった、そう思う度に愕然とする。自分は何も知らないと思い知る。今後もそのためにフィクションを観たい。
選者:澤隆志
映画誕生120年、戦後70年、1/17と3/20から20年。変革の(嫌な)予感に揺れた1年のほぼ見た順。合わせ技で申し訳ないけど9は1986のチェルノブイリと2011のフクシマの2つの「ゾーン」を同日に体験できた奇特な日。1の交接した家具も津波の漂流物のキメラであった。知られざるイスラムの一次情報を見られる2も貴重だし、発想や意図は編集されているということを身体で体験できる7もこのご時世に必至。作家を扱った映画の多かったなか8は監督と被写体が対等で心地よい緊張関係にあった。悪意と熱意の新しい細部が秀逸な5と6、サウンドコンシャスな3、ホワイトとペンによる細密彫刻としてのマンガ原稿を堪能できた4。10は女優も素晴らしいが脇の男どもが皆ダメでよい。
選者:ふかさわ・めぐみ
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薄氷の殺人 |
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イザイホウ -神の島・久高島の祭祀- |
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さらば、愛の言葉よ |
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百円の恋 |
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味園ユニバース |
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神々のたそがれ |
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FOUJITA |
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土佐の神楽 |
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黒沢美香ソロダンス特集 〜30年前のデビュー作と最新作の三本立て〜「この島でうまれたひと」my name is, |
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宮古島を唄う 與那城美和ライブ〜南国の唄と情け〜 |
書籍では、アンドレ・バザンの『映画とは何か』の新訳が岩波文庫より刊行になり入手しやすくなったのが、何よりの収穫。ほかにも映画関連で、岡田温司著『映画は絵画のように ―静止・運動・時間―』(岩波書店)や四方田犬彦著『テロルと映画 スペクタクルとしての暴力』(中公新書)など重要書籍の出版が相次いだ。
選者:福嶋真砂代
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ハント・ザ・ワールド |
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ラブバトル |
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ハッピーアワー |
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バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡) |
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岸辺の旅 |
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あの頃エッフェル塔の下で |
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追憶と踊りながら |
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ヴェルサイユ宮殿の宮廷庭師 |
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おみおくりの作法 |
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美術館を手玉にとった男 |
ハーバード大学感覚民族誌学ラボ傑作選『ハント・ザ・ワールド』(『モンタナ最後のカウボーイ』『ニューヨークジャンクヤード』『マナカマナ雲上の巡礼』『リヴァイアサン』)はどれもドキュメンタリーの原点的+革新的な試みが強烈な魅力。ドワイヨン新作『ラブバトル』は他作品を見る際の基点となるような高次元かつ原始的芸術。『ハッピーアワー』は釘付けになる317分間、濱口ドラマの真骨頂。『おみおくりの作法』の生真面目エディ・マーサンに最優秀主演男優賞を。妄想的娯楽『ヴェルサイユの宮廷庭師』はアラン・リックマンの監督遺作となってしまった。今年はもっと活動範囲を拡げて映画以外もエントリーさせるべく精進します。
1清水バッハ今と明日。2ブラジル音楽新潮流。3ノルウェーのトーマス・ストローネン新楽団が素敵。4初開催の都会の野外フェス。5奄美大島の大型新人65歳デビューCD記念東京初。6坂本龍一オーガナイズ&出演反原発フェス。7アントニオ・サンチェスの音楽最高。8グリーナウェイ新作はメキシコでのエイゼンシュテインの顛末。9西アフリカ、マリ北部の町をイスラム過激派が占拠して…。10は米国西海岸ヒップホップN.W.A.一代記。音楽は、このデタラメな世界クソ社会でも生きるに値す何かを確信させてくれるギフトなのか? 映画は、つまり「百年の愚行」が発するラジカルな問いにアクチュアルに関連し、世界とは社会とは人間とは文化とは文明とは政治とは愛とは生とは死とは何か?を炙り出す。大乱世の時代にGO!
選者:前田圭蔵
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サイ・トゥオンブリー『紙の作品、50年の軌跡』 |
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菅木志雄『置かれた潜在性』 |
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アンヌテレサ・ドゥ・ケースマイケル&ローザス『ドラミング』 |
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清水靖晃&サキソフォネッツ:ゴルトベルク・ヴァリエーションズ |
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若林奮『飛葉と振動』 |
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庭劇団ペニノ『地獄谷温泉 無明ノ宿』 作・演出:タニノクロウ |
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Co.山田うん新作公演『舞踊奇想曲 モナカ』 |
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Sound Live Tokyo 2015 『奇跡』作曲・指揮:灰野敬二 演出・設計:危口統之 |
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ARICA『Ne ANTA』 |
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フェスティバル/トーキョー15 作・演出:飴屋法水『ブルーシート』 |
キャリアのあるベテラン勢の活躍が目立った1年。菅木志雄は現在も旺盛に創作活動を続けているが、若林奮、サイ・トゥオンブリーは故人。他にも作曲家アルヴォ・ペルトや演出家タデウシュ・カントール、寺山修司など、生誕や没後などの回顧企画が目白押し。『春画』展や『ロベール・クートラス』展など、話題性に富んだ良質な展覧会も数多く開催された。音楽家・清水靖晃や灰野敬二の公演も高い満足度。シルヴィ・ギエムの引退公演は、時代のピリオドを強く印象づける歴史的な舞台であった!
選者:ヨコウチ会長
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ヨーロッパ企画 イエティ #9『カレの居ぬ間にビッグフット!』 |
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高校演劇サミット2015 県立甲府南高等学校『秘密の花園』 |
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ラスト5イヤーズ |
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パレードへようこそ |
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シティバンク presents ブロードウェイ・ミュージカル『天使にラブ・ソングを…(シスター・アクト)』 |
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劇団唐ゼミ☆第24回公演『青頭巾』 |
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関東高校演劇サマーフェスティバル2015 筑波大学附属駒場高等学校『ガンジス川を下る』 |
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ブス会*『お母さんが一緒』 |
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ミュージカル『HEADS UP!』 |
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城山羊の会『水仙の花 narcissus』 |
劇場鑑賞順。ももクロさまの『幕が上がる』元年、高校演劇に開眼! 特に甲府南のキラキラした魅力、筑駒の自由さに心掴まれました。『天使にラブ・ソングを…』のシアターオーブは『ピピン』『ジャージー・ボーイズ』等大当たり。新国立劇場も『ウィンズロー・ボーイ』やミュージカル『アニー』の引越先として劇場力をみせてくれました。その意味で、ラサール石井氏の思いをKAATが受けて全国発信した『HEADS UP!』は今後とも応援したいオリジナルミュージカル。松竹創業120周年・歌舞伎NEXT『阿弖流為』も血が沸騰! 岸田國士戯曲賞受賞、城山羊の会・山内ケンジ氏は映画『友だちのパパが好き』もツボ。長田育恵氏『蜜柑とユウウツ』『地を渡る舟』に出会えたのも収穫。詳しくはブログ「14歳と320ヶ月」で。