Event Card

New Vision Saitama 4:静観するイメージ

イベント概要
荻野僚介 《無題》 2009年
アクリル絵具、キャンバス
撮影:大谷一郎

「ニュー・ヴィジョン・サイタマ」は、活躍中の埼玉 県ゆかりのアーティストに焦点をあて、現在の美術動向 をリサーチすることを目的に継続してきた展覧会です。 今回は第 4 回目となりますが、当館の学芸員 7 名が独自 の視点から、いま最も注目するアーティストを 1 名ずつ とりあげます。

今日の日本の美術に見られる傾向は、芸術の価値観が 流動的になり、表現が著しく多様化している点にあると いえるでしょう。それは、インターネットの発達、グロ ーバル化に伴う文化の変質、肥大化するサブカルチャー、 長引く不況など、アーティストを取り巻く環境の変化と も無関係ではありません。

このような時代の中で、アーティストがどういった姿 勢をとるのかということは、現在の美術を考える上でひ とつの論点になります。出品する 7 名のアーティストは 世代も作風も様々ですが、時代状況との関わり方に緩や かな共通性が読み取れます。例えば、多様化する最先端 の美術動向や推移する社会現象に対し過敏に応答するのではなく、むしろ一定の距離をとって接している点です。 また、既存の表現や制度を逸脱しアイディアの目新しさ を競うのではなく、自ら培ってきた固有の制作を見つめ、 美術の本来的な意味を探ろうとしている点でも、類似性 を見出すことができます。つまり、不確実な情勢から少 し離れ、自らの確かな制作を通して、自己、芸術、世界 に潜む奥深いものに眼差しを向ける姿勢が、彼らの活動 から感じられるのです。その姿勢は、「物事を静かに見守 る/事物の奥に隠された本質的なものを見極める」を意 味する、「静観」という言葉で表すことができるのではな いでしょうか。こういった 7 名の揺るぎない制作から生 み出された形象(イメージ)こそ、情勢の不確実性に惑わ されることなく、静かに時代を見据えているのです。

この展覧会では、各学芸員の視点とともに 7 名のアー ティストの近年の活動を新作も交えて紹介します。それ ぞれ独自の作風を味わい、読み解きながら、不透明とい われる現代における美術の在り方を考える恰好の機会に なるはずです。

<出品作家>
樋口恭一:1959年東京都生まれ、埼玉県鶴ヶ島市在住/彫刻
秋元珠江: 1971年浦和(現さいたま)市生まれ、さいたま市在住/写真、映像
市川裕司:1979年埼玉県嵐山町生まれ、東京都町田市在住/絵画
塩崎由美子:1954年浦和(現さいたま)市生まれ、スウェーデンとさいたま市に在住/写真、映像
榮水亜樹:1981年埼玉県春日部市生まれ、春日部市在住/絵画、立体作品
荻野僚介:1970年埼玉県川越市生まれ、東京都練馬区在住/絵画
町田良夫:1967年浦和(現さいたま)市生まれ、神奈川県横浜市在住/印画紙作品、映像、音楽

(プレスリリースより)

[ アート 現代美術 埼玉県 ]
埼玉県立近代美術館
日程終了
エリア 埼玉県
住所 埼玉県浦和市常盤9-30-1
アクセス JR京浜東北線「北浦和駅」西口より徒歩3分
電話番号 048-824-0111
会場ホームページ http://www.saitama-j.or.jp/~momas/
日程 2011年1月29日~2011年3月21日
時間 午前10時~午後5時30分(入場は閉館の30分前まで)
料金 一般 800円 大高生 640円

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