無言歌(むごんか)
1957年に始まった「反右派闘争」。右派とされた人々は、風がゴーゴーと吹き付けるゴビ砂漠の収容所で強制労働させられる。住居は質素で不衛生、食事は薄い粥のみ。飢えと過労でバタバタと倒れ、遺体が運ばれていく……。『鉄西区』など、長尺のドキュメンタリーで知られるワン・ビン監督による初の長編劇映画。党批判を歓迎すると言った毛沢東が、一転して批判者を粛清した反右派闘争を扱う本にショックを受け、生存者へのインタビューを重ねて脚本を作り上げた。国内では上映禁止だが、拘泥せず撮りたいものを撮るだけと語る監督の、中国を見つめる透徹した眼差し。彼の真摯な闘争を応援したい。


中国、1960年。
文革前の隠された悲劇。
歴史に飲み込まれた名もなき民の姿に、
人間の尊厳を見いだす慟哭と希望の詩。
1949年、毛沢東の革命は希望だった。
1956年、毛沢東は自由な批判を歓迎すると言った。
人々は未来を思い、はつらつと発言したものだ。
しかし、その数ヶ月後。彼らを弾圧する「反右派闘争」が始まった。彼らはだまされたのだろうか、彼ら自身の政府に。
1960年。日本は高度成長期だった。フランスはヌーヴェルヴァーグだった。そして中国では、世界の誰にも知られぬまま、人々が辺境で死に向かっていた。
中国西部、ゴビ砂漠の収容所。右派とされた人々が囚われている。轟々と鳴る砂と風。食料はほとんどなく、水のような粥をすすり、毎日の強制労働にただ泥のように疲れ果てて眠る。かつて百花のごとく咲き誇った言葉は失われ、感情さえ失いかけた男たち。そこにある日、上海から一人の女性がやってくる。愛する者に逢いたいと、ひたすらに願い、嗚咽する女の声が、いつしか男たち心に忘れかけていた生命のさざ波を広げていく………。
監督:ワン・ビン(王兵)
出演:ルウ・イエ(盧野)、リェン・レンジュン(廉任軍)ほか
109分/香港・フランス・ベルギー
12/17(土)、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開
ヒューマントラストシネマ有楽町日程終了
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エリア | 有楽町・日比谷 |
住所 | 東京都千代田区有楽町2-7-1 有楽町イトシア・イトシアプラザ4F [ 地図を表示 ] |
アクセス | JR山手線「有楽町駅」中央口より徒歩1分。東京メトロ有楽町線「有楽町駅」D7-b出口より徒歩1分。地下鉄銀座線・日比谷線・丸の内線「銀座駅」C-9出口より徒歩2分。 |
電話番号 | 03-3283-9660 |
会場ホームページ | http://www.ttcg.jp/human_yurakucho/ |
日程 | 2011年12月17日~2012年1月27日 |
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