イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ
無名のフランス人、ティエリー・グエッタによる国際的なストリート・アートのドキュメンタリーとして始まるものの、バンクシーとの出会いによりアーティスト「ミスター・ブレインウォッシュ」へと生まれ変わったティエリー本人が途中から主人公化し、映画は彼の初個展への道のりとそこに渦まく欲望を描くようになる。さりげなく変更される撮影視点をはじめとして、その物語構造の随所にはコンテンポラリー・アートとストリート・アートの関係がいくつかのレファランスとともに織りこまれていて興味深い。だが、それら全てを監督として作品化しているのがあくまでバンクシーであることを忘れてはならないだろう。アートの垣根を飛びこえて注目を集める英国人アーティストの大胆不敵なコンテクスト・ゲームは、初心者からストリート・アートのファンまで幅広く楽しめるものになっている。


アカデミー賞長編ドキュメンタリー部門にノミネートされた際、受賞したら監督バンクシーを覆面のままで登壇させるのかがアカデミー協会で協議され、ハリウッドの街角にバンクシーのグラフィティが出没すること自体がテレビのニュース番組で報じられ話題となったバンクシーの『イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ』がいよいよ日本公開!
この映画は、世界のグラフィティ・アーティストを撮影し続けた男(ティエリー・グエッタ)が誰も接触する事ができなかったバンクシーを偶然撮影できるようになったところから始まる。ティエリーの映画は完成するも、バンクシーの発した一言でバンクシー自身も想像しなかった事態に発展。ティエリーは、アーティスト“ミスター・ブレイン・ウォッシュ”としてロサンゼル最大の新聞LA Weeklyの表紙を飾りエキシビションを開催するのだった。
全ては仕組まれたことなのか、偶然なのか、あるいはバンクシーの言うようにこれが100%リアルな事なのか!?アート業界を痛烈に皮肉り、最高にユーモアの溢れたドキュメンタリー!
●バンクシー
イギリス、ブリストル出身のストリート・アーティスト。「BANKSY」という名前以外のプロフィールやその姿を一切世間に明かしておらず、主にステンシルを使った作品をゲリラ的に描くことで知られている。パリス・ヒルトンのデビューアルバムの偽物を勝手に店頭に陳列したり、「狩りに行く古代人」と題してショッピングカートを押す古代人が描かれた石を大英博物館にゲリラ展示(後に、博物館はバンクシーの作品を正式なコレクションに追加した)したりして話題になった。しかし、イスラエルとパレスチナを分離する壁に平和の願いを込めた作品を残すなどの活動も行っており、ストリートアート・ファンだけでなく、多くの人から絶大な支持を得ている。2009年にはブリストル市立美術館で(公式に!)展覧会を開催。のべ30万人もの人が来場した。作品には数千万円の値がつき、ブラッド・ピットやアンジェリーナ・ジョリー、キアヌ・リーブス、ジュード・ロウ、クリスティーナ・アギレラなどのセレブも彼のファンだという。
●ティエリー・グエッタ a.k.a. ミスター・ブレインウォッシュ
LA 在住のフランス人。元古着屋のオーナーそしてビデオ制作者。 従兄弟のグラフィティアーティスト、インベーダーにより、初めてグラフィティアートという存在を認識。その後、1999年にシェパード・フェアリーの活動記録を撮り始め、それをきっかけにBanksy や他のグラフィティアーティスト達とも出会い、彼らに影響を受けてグラフィティ・アーティストになったと言われている。2008 年に初の個展"Life is Beautiful"を開催。2010 年、二回目に開催された個展"ICONS" は好評のため開催期間を3 ヶ月延ばし大きな話題となった。
また、2009年にリリースされたマドンナのベスト・アルバム「Celebration」 のカバーデザインを手がけるなど、幅広いジャンルで活躍している。
監督:バンクシー
ナレーション:リス・エヴァンス
音楽:ジェフ・バーロウ(Portishead)/ロニ・サイズ
出演:ティエリー・グエッタ/スペース・インベーダー/シェパード・フェアリー/バンクシー ほか
2010年/アメリカ+イギリス/90分/英語
提供:パルコ
配給:パルコ/アップリンク
特別協賛:SOPH.co.,ltd
関連リンク
シネマライズ日程終了
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エリア | 渋谷 |
住所 | 東京都渋谷区宇田川町13-17 [ 地図を表示 ] |
アクセス | 「渋谷駅」ハチ公口から「Q FRONT」と「109-2」の間の道を進み、「マルイシティ」手前の公園通りへ。「PARCO」と「GAP」の間の道を左折し、50mほど先左手。 |
電話番号 | 03-3464-0051 |
会場ホームページ | http://www.cinemarise.com/ |
日程 | 2011年7月16日~2011年9月16日 |
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