少年と自転車
育児放棄で施設に預けられた少年シリルはもうすぐ12歳。迎えにこない父親の行方を探している。その父によって売り飛ばされた大事な自転車を買い戻してあげた美容師の女性サマンサ。シリルに何かを感じて週末里親となり、父親探しを手伝うのだが…。以前、ダルデンヌ兄弟が来日したときに聞いた日本の実話にインスパイアされて作られたという。オーディションで選ばれた少年、トマ・ドレが切なく、素晴らしい。有名女優の起用は珍しいが、サマンサ役のセシル・ドゥ・フランスの明るさがこの映画を温かく包み、シリルの光となる。そういえば音楽が入るのも新鮮な驚きだ。


本作は、ダルデンヌ監督が2003年に『息子のまなざし』のプロモーションで来日した際、少年犯罪についてのシンポジウムで聞いた“赤ちゃんの頃から施設に預けられた少年が、親が迎えに来るのを屋根にのぼって待ち続けていた”という衝撃的な話に着想を得て作られた。親に見捨てられた少年シリルが、初めて信頼できる大人であるサマンサに出会うことで、心をひらき、人を信じ、善悪を学び、成長していく。サマンサもまたシリルに愛情を与えることで、自分の内にある母性に気づき、人を守ることの責任と喜びを知っていく。どんなに厳しい境遇におかれても、人は誰かとつながることで一筋の光を見出せる――。ダルデンヌ監督は、シリルとサマンサの小さな感情の機微を丁寧にすくいあげ、「彼ら(ダルデンヌ監督)の作品の中で最も優しい映画」(メトロ)と評されるように普遍的な珠玉の作品に仕上げている。
監督・脚本:ジャン=ピエール・ダルデンヌ、リュック・ダルデンヌ
キャスト:セシル・ドゥ・フランス、トマ・ドレ、ジェレミー・レニエほか
上映時間: 87分
2012年3月31日(土)よりBunkamura ル・シネマほかにて全国順次ロードショー
ル・シネマ日程終了
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エリア | 渋谷 |
住所 | 東京都渋谷区道玄坂2-24-1 Bunkamura 6F [ 地図を表示 ] |
アクセス | 「渋谷駅」ハチ公口からスクランブル交差点を渡り、「109」のほうへ進む。二手に分かれた道の右、文化村通りを進み突き当たり「東急百貨店本店」へ。左へ回り、すぐ右手。徒歩7分。 |
電話番号 | 03-3477-9264 |
会場ホームページ | http://www.bunkamura.co.jp/cinema/ |
日程 | 2012年3月31日~2012年5月18日 |
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