Photo: Gadi Dagon

『Sadeh21－サデ21』はスタンリー・キューブリックの伝説の名画『2001 年宇宙の旅』を思い起こさせる。それは、舞踊によって綴られる壮大な身体の叙事詩―人間を人間たらしめているのは何か。そこで描かれるのは、肉体が放つ官能とエモーション、圧倒的エネルギー、そしてスローモーションで起こる爆発のように輝きを放つ、身体のダイナミズム。私たちはそこに、原始が今と交錯するのを見る。衝撃の初来日から15 年、ダンスという言葉なき表現の大いなる可能性を追求してきたナハリンの記念碑的作品です。

振付：オハッド・ナハリン
出演：バットシェバ舞踊団（18 名）
初演：2011 年5 月（イスラエル・フェスティバル）
上演時間：約75 分（途中休憩なし）

オハッド・ナハリン／Ohad Naharin
振付家、バットシェバ舞踊団芸術監督
ダンサーとしてのトレーニングをバットシェバ舞踊団で始める。１ 年後、マーサ・グラハムに招かれて渡米、ニューヨークのグラハム舞踊団へ入団するとともに、スクール・オブ・アメリカン・バレエの奨学金を得る。１ 年後にはジュリアード音楽院へ入学。マギー・ブラックやデヴィッド・ハワードに師事。その後、ブリュッセルのモーリス・ベジャール舞踊団に1 シーズン賛演。1980 年、ニューヨークの平林和子スタジオにて振付家としてデビュー。80 年から90 年にかけ、2001 年にがんで亡くなった妻の梶原まりとニューヨークに住んでパフォーマンス活動を行う。90 年バットシェバ舞踊団より芸術監督として任命される。98 年フランス政府からの「芸術文学部門騎士勲章」、2 回にわたるニューヨークでのベッシー賞（02 年ブルックリン音楽アカデミーでの『Naharin’s Virus』及び03 年リンカーン・センター・フェスティバルでの『アナフェイズ』に対して）、04 年のワイズマン科学研究所の名誉哲学博士号、05 年のイスラエル・ダンス名誉賞、08 年ヘブライ大学名誉博士号、09 年アメリカン･ダンス･フェスティバルのスクリップス功労賞、09 年EMET 賞、09 年ダンス・マガジン賞など、受賞多数。彼の作品はパリ・オペラ座バレエ団、ネザーランド・ダンス・シアター、フランクフルト・バレエ団、リヨンオペラ座バレエ団、スペイン国立ダンスカンパニー、クルベルグ･バレエなど、世界の数多くの著名なバレエ団やダンス・カンパニーで上演されている。
また、その創作活動をとおして考案、発展させた独自の身体メソッド《GAGA（ガガ）》は、ダンサーの身体訓練として自身のカンパニーのみならず、イスラエル国内、また海外でも注目を集めている。ダンサーに限らずあらゆる人に向けた《GAGA ピープル》も、世界各地でワークショップがおこなわれ好評を得ている。

（プレスリリースより）