マーラー 君に捧げるアダージョ
1910年夏、作曲家グスタフ・マーラーが精神分析医フロイトを訪ねる。愛妻アルマの不貞を知り、苦悩する彼は、フロイトの質問に答えながら閉ざしていた心を解放していく……。不朽の名作『バグダッド・カフェ』のパーシー・アドロンが息子フェリックスと共同で脚本・監督を手掛けたマーラー生誕150年&没後100年を記念した作品。交響曲第10番を分割し、ストーリーに乗せていくという手法がユニークで、フラッシュバックで回想する過去、ドキュメンタリータッチの映像で近しい人々の証言を織り込んだ構成もおもしろい。音楽の迫力に負けない映像の美しさも特筆もの。


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1910年夏、作曲中のマーラーに届いた衝撃的な一通の手紙。そこには、新進の建築家グロピウスから妻アルマへの熱烈な愛が綴られていた…。
世紀末ウィーンを代表する後期ロマン派の大作曲家であり、スター指揮者グスタフ・マーラー。その19歳年下の妻であり、類まれな美貌と音楽的才能で、 画家クリムトなど当時の芸術家たちを魅了したアルマ。誰もが羨む理想の夫婦であったが、その年の差と、マーラーがアルマに作曲を禁じたことで生じた亀裂が、 愛娘の死によって悪化してしまう。そして、アルマは療養先で知り合った 5歳年下のグロピウスに慰めを求める。その事実に困惑したマーラーは、休暇中の精神分析医フロイトの元を訪れ、 アルマとの愛と情熱、希望と苦悩、そして音楽に溢れた人生を語りはじめる…。未完に終わったマーラー最後の楽曲≪交響曲第10番≫に秘められた真実が今、明かされる。
名作『バグダッド・カフェ』で夫婦生活に破綻したヒロインの自立と再生を描き、世界中の共感を集めたパーシー・アドロン監督が息子フェリックスとともに、 天才作曲家マーラーと美貌の妻アルマの、音楽に秘められた激しくも切ない愛の史実を、叙情豊かな美しい映像とともに新たな解釈で描き出した。 天才を愛し、すべてを捧げたひとりの女性の葛藤と決意に、心揺さぶられずにはいられない。
ルキノ・ヴィスコンティの名作『ベニスに死す』の音楽としても名高い、マーラーが“アルマへのラブレター”として作曲したとされる《交響曲第 5番》の美しい「アダージェット」。 アルマの不倫に衝撃を受けたマーラーが、不協和音を楽譜に書きつけた《交響曲第10番》の「アダージョ」。これら2曲の「アダージョ」が夫婦の純愛と苦悩を象徴し、 音楽と人生が交差する深遠な領域に誘う。マーラー生誕150年&没後100年を飾る、まったく新しい音楽映画の傑作がついに誕生した。
マーラー役のヨハネス・ジルバーシュナイダー、アルマ役のバーバラ・ロマーナーは、実在のふたりをまさに体現していると本国で絶賛、 『ヒトラーの贋札』のカール・マルコヴィクスもキーパーソンであるフロイトを演じ、緊迫感のある物語にユーモアを添えている。
世紀末ウィーンが忠実に再現され、画家クリムトや指揮者ブルーノ・ワルターといった後に名を残す芸術家が次々と登場。 華やかな時代の雰囲気やサロンに集う芸術家たちの交流をリアルに描いている。また、マーラーが音楽監督をつとめた世界三大オペラ座のひとつ、 ウィーン国立歌劇場が全面協力。臨場感溢れるオペラ座の舞台裏が撮影された。
そして、映画のシナリオに共感した名匠エサペッカ・サロネンがマーラーの楽曲を指揮、スウェーデン放送交響楽団が本作のために特別録音を行い、 楽章を構成する個々の声部を分解・断片化した音楽なども使用。マーラーとアルマの心を感じる、かつてない映画体験がここに実現した。
監督:パーシー・アドロン、フェリックス・アドロン
出演:ヨハネス・ジルバーシュナイダー、バーバラ・ロマーナー、カール・マルコヴィクス
原題:MAHLER AUF DER COUCH
2010年/ドイツ、オーストラリア/セテラ/102分
4/30(土)、渋谷ユーロスペースほか全国順次ロードショー!
関連リンク
ユーロスペース日程終了
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エリア | 渋谷 |
住所 | 東京都渋谷区円山町1-5 |
アクセス | JR「渋谷駅」ハチ公口より徒歩10分 |
電話番号 | 03-3461-0211 |
会場ホームページ | http://www.eurospace.co.jp/ |
日程 | 2011年4月30日~2011年6月24日 |
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