さいたまネクスト・シアター 第2回公演:美しきものの伝説
作:宮本 研 演出:蜷川幸雄
明治と昭和の狭間にあって「ベル・エポック」と呼ばれた大正時代。演劇革新に燃える演劇人、革命を夢見る知識人、女性解放を目指す女性たちが、それぞれの理想を求めて奔走する……。蜷川幸雄が若手俳優を育成する「さいたまネクスト・シアター」第2回公演は、平塚らいてう、松井須磨子ら実在の人物たちを描いた宮本研の代表作をピックアップ。前回の『真田風雲録』ではホール内インサイド・シアターに仕込まれた泥が飛び交い、前列の観客には泥よけのシートが用意されていた。平成の時代に新たな伝説が生まれるだろうか。目撃者になりたい人はさいたまへ!


大正時代を駆け抜けた実在の人物たちの理想と現実。
蜷川幸雄の若手俳優育成プロジェクト、待望の第2弾!!
宮本研の傑作青春群像劇が蜷川幸雄の演出で21 世紀に甦る!!
激動の明治と、戦争へ向かう昭和初期に挟まれ、“ベル・エポック(よき時代)”と呼ばれたわずか15 年間の大正という時代。演劇革新に燃え、新しい演劇にわが身を賭ける演劇人。新時代の政治を目指し、社会主義に憧れ、革命を語り、奔走する知識人。新しい女性像を求めて女性解放運動を実践し、恋に生きる女性たち。大杉栄、伊藤野枝、島村抱月、小山内薫ら、実在の人物たちが織り成す人生模様を描いた宮本研の代表作が、蜷川幸雄の若手俳優育成プロジェクト<さいたまネクスト・シアター>によって21世紀に甦ります。
1968年の初演(文学座/木村光一演出)では、当時20 代だった江守徹や太地喜和子、細川俊之ら若手俳優を中心に上演され、世相(安保闘争やアングラ演劇の出現等)とも相まって、大きな話題となりました(演出家デビュー直前の蜷川幸雄も観客の一人!)。もちろん、理想と現実の狭間で揺れる若者たちを描いた普遍的な物語も高く評価され、今日に至るまで繰り返し上演されています。しかし、登場人物の年齢設定に対して、ベテラン俳優によって演じられることも少なくなく、今回は待望の若手俳優たちによる上演になります。
蜷川幸雄の若手俳優育成プロジェクト、第2弾。
日本の演劇界の未来を担うのは誰だ-!?
<さいたまネクスト・シアター>は、2009年11月の第1 回公演『真田風雲録』で延べ5,000人を動員、新聞・雑誌の劇評でも高い評価を得るなど、無名の若手俳優のカンパニーとしては幸福なスタートを切りました。「次代を担い、海外に太刀打ちできる強烈な存在感を持った俳優」の育成を目指すこの集団は、“公共劇場の社会的な意義を問う”という意味において、高齢者劇団「さいたまゴールド・シアター」とともに、彩の国さいたま芸術劇場の“両輪”と位置付けられる意欲的な企画です。
“公演”という枠組みの中で“教育”をやる-。
俳優教育に対する蜷川幸雄のこだわりが詰まったプロジェクト。
「研究発表会ではなく、公演という枠組みの中で教育をやる」-蜷川はあくまでも“公演”にこだわり、前作では「舞台一面に本物の泥を敷く」という別の公演のために用意したプランを惜しげもなく披露。圧巻の“蜷川ワールド”を生み出しました。泥は“戦国時代のリアリティ”を若手俳優たちに体感させる目的で用意され、見事に彼らの熱演を引き出しました。一方、若い世代の演劇人が日常生活の延長線上にある物語や表現を志向する中、<さいたまネクスト・シアター>のメンバーは歴史や社会を学び、大きな物語を担える俳優になることを要求されます。「日常感覚にあらゆる描写を引き寄せるのではなく、他者との距離を想像力で埋めて行かないと、演劇が痩せ細る」-ギリシャ劇やシェイクスピア劇など、巨大な物語を通じて現代を照射して来た蜷川ならではの想いがそこにあります。
大ホール舞台上に再び登場する特設小劇場<インサイド・シアター>。
蜷川幸雄のもうひとつの顔が浮かび上がるプレミアムな公演。
近年は700 席規模の中劇場を中心に活動する蜷川が、前作『真田風雲録』に続き、彩の国さいたま芸術劇場大ホール舞台上に約300 席の特設小劇場<インサイド・シアター>を出現させます。大空間を活かすダイナミックな演出は言うまでもなく、セリフや細かな動きだけで登場人物の関係性を示す精緻な演出でも群を抜く蜷川。かつて下町の小劇場ベニサン・ピットやシアターコクーンの稽古場STUDIOコクーンで伝説的な名作、あるいは実験作を生み出したのを彷彿とさせるような、息遣いも聞こえるほどの特設小劇場<インサイド・シアター>でどんな新しい伝説を生み出すのか。蜷川幸雄のもうひとつの顔が浮かび上がるこのプレミアムな公演にどうぞご期待ください。
<ストーリー>
明治43 年、大逆事件が起こり、社会主義運動は「冬の時代」に入り、大正の幕が開く。いつか行動を起こそうと、大逆事件の残党・四分六こと堺利彦は、クロポトキンこと大杉栄、暖村こと荒畑寒村とともに売文社を創設。そこへ女優志望の伊藤野枝が『青鞜』編集長モナリザこと平塚らいてうに会うために訪れる。
演劇界では、ルパシカこと小山内薫や早稲田こと沢田正二郎、新聞記者サロメこと神近市子らが先生こと島村抱月と日夜議論を重ねていた。先生率いる芸術座が松井須磨子主演の『復活』で大成功を収めるが、「娯楽劇と芸術劇の二元論」に自由劇場のルパシカは「自然の演技こそ真実」と真っ向から対立する。
またフリーラブを提唱するクロポトキンはサロメと恋愛関係に。一方、野枝は夫の幽然坊こと辻潤との子を身ごもりながらクロポトキンと生きる決意をする。それぞれに自らの理想のために奔走し、また人間的な自由な恋愛を謳歌する彼らだが、やがて厳しい現実が目の前に現れる-。
■作 宮本 研
■演出 蜷川幸雄
■演出補 井上尊晶
■音楽 朝比奈尚行
■美術 中西紀恵
■照明 岩品武顕
■衣裳 小峰リリー
■音響 高橋克司
■ヘアメイク 佐藤裕子
■所作指導 藤間貴雅
■演出助手 大河内直子、藤田俊太郎
■舞台監督 山田潤一
■出演 さいたまネクスト・シアター(50 音順)
浅場万矢/浦野真介/江間みずき/大橋一輝/川口 覚/熊澤さえか/小久保寿人/佐々木美奈/周本えりか/鈴木彰紀/手打隆盛/土井睦月子/中村千里/西村 篤/隼太/深谷美歩/堀 源起/松田慎也/茂手木桜子/本山里夢/横山大地/露敏
原 康義・横田栄司・飯田邦博
※開場は開演の30 分前です。
※インサイドシアターは大ホール内の舞台上の特設客席のため、客席及び椅子の形状が通常とは異なりますのでご了承ください。
※客席形状が決定し次第、財団ホームページにてお知らせいたします。
主催・協賛・後援等
主催・企画・製作:財団法人埼玉県芸術文化振興財団
彩の国さいたま芸術劇場 大ホール日程終了
インサイド・シアター
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エリア | 埼玉県 |
住所 | 埼玉県さいたま市中央区上峰3-15-1 |
アクセス | JR埼京線「与野本町駅」より徒歩7分 |
電話番号 | 048-858-5500 |
会場ホームページ | http://www.saf.or.jp/ |
日程 | 2010年12月16日~2010年12月26日 |
時間 | 12/16(木)・17(金)・21(火)=18:30 12/18(土)・22(水)・25(水)=13:00/18:30 12/19(日)・23(木・祝)・24(金)・26(日)=13:00 |
料金 | 3,800円(全席自由) |
休館日 | 12/20(月)は休演 |
<チケット販売情報>
チケット発売日:
2010年10月16日
主要プレイガイド:
チケットぴあ Pコード予約(音声自動応答) 全国共通:0570-02-9966 / @ぴあプレミアムメンバーズ専用:0570-02-9944
【Pコード:407-683】
チケットぴあ 音声認識/オペレーター予約:オールジャンル 0570-02-9999(音声認識:10:00~23:30/オペレーター対応:10:00~18:00)
【Pコード:407-683】
その他チケット取扱先:
彩の国さいたま芸術劇場 / TEL: 0570-064-939
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