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ケンタとジュンとカヨちゃんの国

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“はつり”と呼ばれる壁の解体作業をしているケンタ(松田翔太)とジュン(高良健吾)は同じ養護施設育ち。ケンタは、兄カズ(宮崎将)に恨みを持つ先輩の裕也(新井浩文)の陰惨な厭がらせに耐えかね、ジュンと一緒にあるものを破壊、奪った車でカズのいる網走刑務所へと向かう。偶然ふたりに付いて来たカヨ(安藤サクラ)もまたよるべない存在。3人の絶望と渇望の旅のゴールはどこに…。大森立嗣監督は、汚れや痛みにフタをした上っ面だけの“癒し”やキレイ事の世界を拒絶、“人生を選べない人”の生と死に光をあてている。松田の新境地がとりわけ頼もしい。

By 福嶋真砂代 June 8, 2010

イベント概要
(C) 2010 「ケンタとジュンとカヨちゃんの国」製作委員会

戻る場所は、ない。

生まれたときから親もお金もなかった。
生き方も死に方も、誰も教えてくれなかった。
親のいない子供たちの施設で兄弟のように育ったケンタとジュン。中学を卒業して得た解体現場の仕事は、電動ブレーカーでひたすら壁を壊す“はつり”の仕事だった。安い賃金に過酷な労働。夢を語ることもなくただやり過ごす日々。2人はある日、すべてをぶっ壊して“ここ”から抜け出す決断をする。盗んだ車にカヨちゃんを乗せて、刑務所に収監されている兄に会うため2人は出発した。それが取り返しのつかない旅になることにも気づけずに──。
幸せについて考えることも知らぬまま大人になった若者たち。親も兄弟も戻る家もなく、知識も少なければ職業選択の自由もままならない。夢を描くことがどんなことかさえ分からない彼らの心が抱え続けるどうにもならない苛立ちと、深い闇のような孤独。ただひとつ目指した小さな希望さえも打ち砕かれたとき、彼らは何を見るのか──。今年、恐るべき青春映画が誕生する。ケンタとジュンとカヨちゃんの国。それは、私たちの生きるこの国だ。この国で生きる場所を探して彷徨い続ける私たちの物語だ。

松田翔太・高良健吾・安藤サクラ
未来を担う3人の若い俳優が鮮烈に体現する「私たちの物語」
怒りと悲しみを鋭い瞳と体にたぎらせるケンタを演じるのは、故・松田優作の次男にして次世代を担う俳優として熱い注目を集め、今や絶大な人気を誇る松田翔太。現代日本社会を生きる等身大の若者の姿を気迫溢れるその存在感で生々しく演じ、本格派俳優としての新境地を拓いている。ケンタと共に旅に出るジュンを演じるのは、『BANDAGE』(小林武史監督)『ソラニン』(三木孝浩監督)『ノルウェイの森』(トラン・アン・ユン監督)等今年も話題の映画に次々と出演を果たす実力派・健吾。存在の拠りどころをケンタだけに求めるジュンの寂しさをリアルに表現した。そして『愛のむきだし』(園子温監督)等で強烈な印象を残し今もっとも注目を集める新人・安藤サクラがカヨちゃん役で出演。ラストシーンですべての観客を圧倒する。いまを生きる若者たちの孤独や苛立ち、そして希望と絶望を、比類なき3人の個性で見事に体現した本作。さらに、柄本明、小林薫、美保純、洞口依子、山本政志等のベテラン俳優や、新井浩文、宮﨑、多部未華子、柄本佑等の若手実力派俳優が一堂に集結、映画としての強度を確かなものにしている。

感情が揺さぶられ続ける、恐るべき青春映画の誕生
監督は、『ゲルマニウムの夜』で圧倒的賞賛を集めた大森立嗣
ぶっ壊して抜け出すんだよ──。人生を選べずに生きてきた若者たちの絶望的な旅の物語を描いたのは、前作『ゲルマニウムの夜』で初監督ながらその堂々とした作風と独自の感性が評価され多数の国際映画祭でも招待上映された、大森監督。この時代を生きる同世代の若者たちの切実な“生”と“死”の物語をオリジナル脚本で描き、映画史に残る本格派青春映画として誕生させ、再び世界へ大きな問いを投げかける。また、撮影を前作『ゲルマニウムの夜』でも見事大森監督の世界観を写し撮った大塚亮が担当。他、録音に加藤大和(『ウルトラミラクルラブストーリー』『ディア・ドクター』)、美術に杉本亮(『バベル』『Map of the sounds of Tokyo』)、編集に普嶋信一(『ウルトラミラクルラブストーリー』『プール』)、衣裳に伊賀大介(『ヤッターマン』『蘇りの血』)、音楽に大友良英(『色即ぜねれいしょん』『アブラクサスの祭』)など日本映画の未来を担う先鋭達が参加、監督をがっちりと支えた。
さらにエンディングテーマは、70年代フォークの神様と呼ばれた岡林信康による知る人ぞ知る名曲「私たちの望むものは」を、人気急上昇中のシンガー・阿部芙蓉美がカバー。誰もが胸をつかまれるそのラストを飾る。


監督・脚本 大森立嗣
製作 土井智生、吉村知己、中野朝子
撮影 大塚亮
美術 杉本亮
音楽 大友良英
出演 松田翔太、高良健吾、安藤サクラ、他

時間 131分
配給 リトルモア

[ 映画 ドラマ 新宿 ]
シネマート新宿
日程終了
エリア 新宿
住所 東京都新宿区新宿3丁目13-3 新宿文化ビル6F・7F(旧新宿文化シネマ2・3)
アクセス 東京メトロ丸の内線「新宿三丁目」駅B2出口より徒歩1分
電話番号 03-5369-2831
会場ホームページ http://www.cinemart.co.jp/theater/shinjuku/
日程 2010年7月24日~終了日未定
ユーロスペース
日程終了
エリア 渋谷
住所 東京都渋谷区円山町1-5
アクセス JR「渋谷駅」ハチ公口より徒歩10分
電話番号 03-3461-0211
会場ホームページ http://www.eurospace.co.jp/
日程 2010年6月12日~2010年7月23日
新宿ピカデリー
日程終了
エリア 新宿
住所 東京都新宿区新宿3-15-15 [ 地図を表示
アクセス JR新宿駅より徒歩7分。地下鉄新宿三丁目駅より徒歩3分。
電話番号 03-3352-1771
会場ホームページ http://www.smt-cinema.com/
日程 2010年6月12日~2010年7月16日

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