パルコ・プロデュース
裏切りの街
三浦大輔 作・演出作品
役者というのはつくづく大変な職業だ。稽古では演出家にダメ出しされて、舞台では毎日自分自身を観客に晒さなくてはいけないのだから。先日公開された映画『ボーイズ・オン・ザ・ラン』(ものすごく心を揺さぶられる大傑作!)で初監督した三浦大輔氏、パンフレットには「監督の人格が途中で豹変したのでビックリしました(笑)」(YOUさま)、「ケチョンケチョンに言われて、もう最初の頃は辛くて辛くてしょうがなかったんです(笑)」(黒川芽以さま)、「この人(三浦大輔氏)、怖いから(笑)」(峯田和伸さま)と、うわさの「ポツドールダメ出し」証言の数々が・……。でも、その怖さの中で(笑)なのが、「本当にいい作品になった」という実感なのだろう。三浦氏の作品を観ていると、まるで自分がそこにいるかのように傷ついてしまう。鑑賞後はボロボロになっていたり、怒りが噴出したり、それでもなぜか「次回も観たい」と思ってしまう妙なスッキリ感は、厳しいダメ出しの賜物による作品への満足感か。観客側の「ダメ人間を観て安心したい」「この心の汚さに内心共感できる」という悪趣味までもが三浦マジックで露呈されたからなのか……。限界まで追い込まれたときほど力を発揮するのが人間なのだとしたら、三浦氏の作品が「人間の本質を映す」と言われる意味が、作品の出来と観客心理の両面でわかる気がする。今回の俳優陣に対してもその妥協ないダメ出し姿勢は変わらないのだろう。だから観客も覚悟して臨まないといけない。どんな作品が出来て、どんな私の内面が露呈されるのか。怖いけれど、映画に引き続き、銀杏BOYZとタッグを組んでくれるのが、文字通り一服の清涼剤となりそうだ。


★カーテンコール峯田和伸弾き語り、追加日程決定!
5月20日(木)14:00、5月21日(金)19:00公演のカーテンコールは、「裏切りの街」主題歌、銀杏BOYZの「ピンクローター」を峯田和伸が弾き語りで演奏します!
☆15日(土)19:00公演のカーテンコールは、「銀杏BOYZ」峯田和伸による主題歌「ピンクローター」の弾き語りあり!
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新世代の類稀な才能・三浦大輔(ポツドール)、ついにパルコ劇場に登場!
乱交パーティに集う男女を、リアルな会話で描いた作品『愛の渦』で、2006 年に岸田戯曲賞を受賞した三浦大輔。
その舞台には、ろくでもない人間ばかりがたむろし、軽薄な中身のない会話と寒々しい関係性とが、ドキュメンタリーと見紛うばかりのリアルさで描かれる。
彼が率いる劇団「ポツドール」の舞台は、セックスや暴力という題材の過激さ、リアルという表現の先鋭さで、常に物議をかもしてきた。
しかし、三浦大輔の、この心温まらない、わかりやすい感動やロマンとは無縁の舞台から湧き上がってくるのは、不思議なことに人間に対する愛おしさとでもいう感情だ。
だれもが思い当たる矮小な自我や表層的な人間関係、そしてそれらの自分にとっての不可避性や切実さが、観る者をゆさぶる。
そのスキャンダラスな見せかけに、ともすれば隠れてしまいそうになるが、三浦大輔には、人間とその関係性に対する透徹したまなざし、それを精緻に描写する台詞、こちらがいたたまれなくなるほどリアルに見せる驚異的な演出力、うますぎるほどうまい構成力があるのだ。抜きん出た力を持つ三浦の作品は、ひりひりとした批評性を獲得し、現代を鋭く照射する、優れた苦い喜劇になっている。
この類まれな才能・三浦大輔の書下ろし・演出作品が、
ついにパルコ劇場に登場する。
演劇界屈指の俳優+映像で注目の若手俳優が競演!
キャストは演劇界屈指の俳優陣と注目の若手俳優たち。
まずは今や演劇界を代表する女優となった秋山菜津子。あらゆる演出家、作家の信頼を集め、話題の舞台への出演が続く彼女が、ついに三浦大輔の描く女性を演じる。
そしてその秋山演じる「智子」とのっぴきならない関係となる男、フリーターの「菅原」に、出演ドラマが立て続けに賞を獲得するなど、大注目の若手俳優、田中圭。
菅原の彼女「里美」には、今春主演映画も控える、こちらも大注目の安藤サクラ。
智子の妹「裕子」には、演劇界、映画界でも売れっ子の江口のりこ。
さらに智子の夫、サラリーマンの「浩二」には、2006 年「労働者M」以来の外部の舞台出演となる松尾スズキ。役者としても異彩を放つ松尾の演技に、期待が高まる。
そして「ポツドール」の米村亮太朗と「ポツドール」の常連、古澤裕介が脇を固める。
また音楽を手がけるのは、三浦大輔の盟友・峯田和伸率いる「銀杏BOYZ」。峯田和伸は、1 月30 日公開の三浦大輔脚本・監督映画『ボーイズ・オン・ザ・ラン』に主演し、「銀杏BOYZ」が同作の主題歌を手がけており、映画に続いて今回、新作舞台に楽曲を提供するのも大きな話題だ。
エッジの効きまくった三浦大輔の劇世界と、素晴しいキャストの出会い。演劇界にとどまらず、映像、音楽、サブカルチャーの世界にもアピールする、スリリングな作品が、ここに誕生する。
【キャスト】
橋本智子(専業主婦)・・・・・・・・・・秋山菜津子
菅原裕一(フリーター)・・・・・・・・・田中圭
鈴木里美(菅原の恋人・会社員)・・・・・安藤サクラ
田村 修(浩二の部下)・・・・・・・・・古澤裕介
今井伸二(菅原の友人)・・・・・・・・・米村亮太朗
根本裕子(智子の妹)・・・・・・・・・・江口のりこ
橋本浩二(智子の夫 サラリーマン)・・・松尾スズキ
【スタッフ】
作・演出 三浦大輔 / 音楽 銀杏BOYZ / 美術 田中敏恵
照明 伊藤孝(ART CORE design)/ 音響 中村嘉宏 / 衣裳 小林身和子
ヘアメイク 河村陽子 / 映像 冨田中理 /演出助手 山田美紀
舞台監督 小笠原幹夫 / 宣伝 吉田プロモーション / プロデューサー 田中希世子
製作 山崎浩一 / 制作協力 ㈲マッシュ・ポツドール / 企画・製作 ㈱パルコ
【ストーリー】
無気力なフリーター、菅原裕一と貞淑な専業主婦、橋本智子。菅原には長年つきあっている彼女がいて、智子には結婚している旦那がいる。その二人が出会い系サイトで知り合い、出会い、恋愛をし、逢引を繰り返す。二人はお互いに何かを求めるわけでもなく、この恋愛に発展性がないこともわかっている。お互い、大切だと思えるパートナーがいるにもかかわらず、身のない「浮気」を繰り返す。会っている意味など考えず、「裏切る」という行為の罪悪感に苛まれることもなく、惰性ともいえる二人の恋愛は続いていく。そして、家に帰れば、お互いのパートナーに対して、別の愛情表現をする。
それを壊す勇気などない。この先、自分はどうしたいのか。そんなことは考えない(ふりをした)まま、ただただ日常生活をこなしていく…。
関連リンク
パルコ劇場日程終了
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エリア | 渋谷 |
住所 | 東京都渋谷区宇田川町15-1 パルコパート1・9F |
アクセス | 「渋谷駅」ハチ公口より徒歩5分 |
電話番号 | 03-3477-5858 |
会場ホームページ | http://www.parco-play.com/ |
日程 | 2010年5月7日~2010年5月30日 |
時間 | 月・水・金曜日19:00、土曜日14:00&19:00、木・日曜日14:00(但し5/13(木)は19 時開演のみ 5/27(木)は14 時、19 時開演あり) |
料金 | 一般7350円(全席指定) 学生5000円(当日指定席引換・イープラスのみ取扱。限定枚数販売) |
特記事項 | *火曜日休演 |
<チケット販売情報>
チケット発売日:
2010年3月13日
主要プレイガイド:
チケットぴあ Pコード予約(音声自動応答) 全国共通:0570-02-9966 / @ぴあプレミアムメンバーズ専用:0570-02-9944
【Pコード:401-216】
チケットぴあ:発売初日特別電話予約 0570-02-9940
チケットぴあ 音声認識/オペレーター予約:オールジャンル 0570-02-9999(音声認識:10:00~23:30/オペレーター対応:10:00~18:00)
【Pコード:401-216】
チケットぴあ オペレーター予約:演劇専用 0570-02-9988(オペレーター対応:10:00~18:00)
【Pコード:401-216】
ローソンチケット 0570-000-777(音声案内:24時間受付/オペレーター対応:10:00~20:00) 【Lコード:33379】
ローソンチケット:発売初日特別電話予約 0570-08-4635
その他チケット取扱先:
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