藤本隆行・真鍋大度・石橋素:Time Lapse Plant /偽加速器(prototype/試作)

私たちは、時間を知覚する器官を持っていない。光や音は、眼や耳の器官で感知され、それぞれいくつもの情報として脳に送られて、脳内のさまざまな部位で処理されたのち統合される。形態や色彩、そして運動は視覚に束ねられ、空気の振動は様々なざわめきとして聞こえる。その他にも、空気中に拡散する微細な粒子は、鼻の粘膜を介して匂いとして捕らえられ、温度や振動もそれぞれセンシングされる。しかし、時間そのものを感知する事はできない。
だが、時間に様々なレイヤーがあるという事は、確かな事のように思われる。例えば身近な植物の生きている動きすら、ヒトの時間では見る事が出来ない。コマ落とし(Time Lapse photography)という、あっけないくらい簡単な技法を使うと、植物の生きている時間が見えてくる。それは、たぶん誰もが一度は目にした映像だろう。
現在、地球の大半を被っている世界時間のネットワークは、「協定世界時」と呼ばれ、1972年からは、「セシウム133原子が、91億9263 万1770 回振動する時間を1 秒とする」と、計量に関する国際単位系(S1)によって定められている。そのセシウムの振動が、91億9263 万1771 回ではなくきっちり91億9263 万1770 回だと測定する機器に関しては、私の想像力は遠く及ばないが、この1 秒を決して私の身体は正確に感知しえないだろう事は、容易に想像できる。
「Time Lapse Plant /偽加速器」は、LED照明や音を使い、観察者の影に運動を与える事で、見る者の時間感覚を困惑させる。同時に、色彩を感知する人の目のシステムや音と光の同期により、偽のリアリティを現出させる装置です。
参照: 一川 誠「 大人の時間はなぜ短いのか」(集英社新書)
*この作品は、東京都写真美術館で開催される第2 回恵比寿映像祭出品作の試作機として、BankART1929と東京都写真美術館の協力を得て制作されます。
関連イベント情報
オープニングパーティ+ 安藤洋子×平井優子 ダンス・インプロビゼーション
日時=2009年12月25日[金] 20:30–22:45 (ダンスイベント=21:30–21:50)
料金=1,500 円(パーティ参加費含む) 協力=象の鼻テラス
対談=藤本隆行×山口真美(中央大学文学部心理学研究室教授)
日時=2010年1月10日[日] 15:00–/料金=1,000 円(ワンドリンク付き)
お問い合せ
藤本隆行 / BankART1929
TEL: 045-663-2812
FAX: 045-663-2813
E-mail:
主催・協賛・後援等
主催=藤本隆行/共催=BankART 1929
平成21年度横浜市先駆的芸術活動助成(ACY)
BankART Studio NYK日程終了
NYKホール
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エリア | 横浜市 |
住所 | 横浜市中区海岸通3-9 [ 地図を表示 ] |
アクセス | 横浜みなとみらい線「馬車道駅」6番出口「万国橋口」より徒歩4分 |
電話番号 | 045-663-2812 |
会場ホームページ | http://www.bankart1929.com/ |
日程 | 2009年12月25日~2010年1月11日 |
時間 | 11:30 –19:00 12月25日[金]は20:30まで開場/オープニングパーティ 20:30-22:45 |
料金 | 無料(イベントのみ有料) |
休館日 | 休館=12.29 –1.4 |
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