内藤礼:すべて動物は、世界の内にちょうど水の中に水があるように存在している

空間を満たす光、空気の揺らぎ、周囲の音――造形を取り巻く要素を作品の場へと呼びこむ、現代日本を代表するアーティストのひとり、内藤礼(1961- )。1980 年代の後半から、「地上の生と世界との連続性」をテーマに、糸や布といった繊細な素材と、光や水などの自然の要素を、ひそやかな、それでいて確かな存在感を放つかたちに昇華させてきた彼女の作品は、国内外で静かな熱狂を呼んできました。
今回の個展は、ジョルジュ・バタイユが『宗教の理論』に記した一節をタイトルとし、内藤礼が、鶴岡八幡宮境内のモダニズム建 築として名高い神奈川県立近代美術館の鎌倉館に、新作を中心とするインスタレーションを行うものです。
展示室の閉ざされた空間と、館外の自然が交錯する中庭や彫刻室。鎌倉館独自の環境に置かれた作品群には順路が定められていません。その作品は、建物と屋外を経巡るひとりひとりの時間のなかで、かつてあった/未だ生まれざる世界の記憶を呼び起こし、見る人の生の時間と交感することでしょう。自然そのものを素材にする近年の仕事に加え、10 年以上の時を経て電球光がふたたび取り上げられて、本展での制作が、これまでの時間を遡りながら、同時に新しい段階への移行を告げるものとなることを予感させます。
「水の中に水があるように」。世界と等質な全体性の奪回を希求する内藤礼が、鎌倉館にどのような作品を生み出し、また作品を媒介にどのような世界とのつながりを示してくれるのか、大きな期待が寄せられています。
●内藤礼氏によるアーティストトーク
2010 年 1 月11 日(月曜/祝日)午後2時より
●担当学芸員によるギャラリー・トーク
2010年1月17日(日曜)午後2時より
※いずれも予約不要、無料
(ただし「内藤礼」展の観覧券が必要です)
神奈川県立近代美術館 鎌倉日程終了
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エリア | 神奈川県 |
住所 | 神奈川県鎌倉市雪ノ下2-1-53 |
アクセス | [公共交通機関利用の場合] JR横須賀線「鎌倉駅」下車、徒歩約10分 [横浜横須賀道利用の場合] 朝比奈インターチェンジから鎌倉霊園を経由して八幡宮前へ約4km |
電話番号 | 0467-22-5000 |
会場ホームページ | http://www.moma.pref.kanagawa.jp/museum/ |
日程 | 2009年11月14日~2010年1月24日 |
時間 | 9:30~17:00(入館は16:30まで) |
料金 | 一般 700円、20歳未満・学生 550円、65歳以上 350円、高校生 100円 |
休館日 | 月曜日(ただし1/11は開館)、12/24(木)、28(月)~ 1/4(月)、12(火) |
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