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精神

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想田和弘監督が『選挙』に続けて放つ「観察映画」第2弾。あえて入念なリサーチをせず、構成や落としどころを決めずに現場に臨み、カメラを回しながら対象を観察するドキュメンタリーである。今回の舞台は、小さな精神科診療所「こらーる岡山」。ぼかしもモザイクもなく、カメラは淡々と患者たちの言葉と日常生活を映し出すのみ。撮影を了解した患者たちが素顔で登場し語ることで、タブー感が軽減され、観客の心にするりと入り込む。ナレーションもキャプションも音楽も排除され、押し付けがましいところがないのに、監督の思いはしっかりと伝わってくる。

By まる June 12, 2009

イベント概要
(C) 2008 Laboratory X, Inc.

「正気」とは?「狂気」とは?心の傷に包帯は巻けるのだろうか?
格差社会、ひきこもり、ニート、ネットカフェ難民、ワーキング・プア、無差別殺人…自殺者数が11年連続で3万人を超える現代日本。閉塞的で孤独感がただようこの国で、誰もが「生きにくさ」を感じたことがあるのではないだろうか。『精神』は、精神科にカメラを入れ、その世界をつぶさに観察。「正気」と「狂気」の境界線を問い直し、現代人の精神のありように迫った。同時に、心に負った深い傷はどうしたら癒されるのか、正面から問いかける。

ここにある病。ここにある、小さな光。
外来の精神科診療所「こらーる岡山」に集う様々な患者たち。病気に苦しみ自殺未遂を繰り返す人もいれば、病気とつきあいながら、哲学や信仰、芸術を深めていく人もいる。涙あり、笑いあり、母がいて、子がいて、孤独と出会いがある。そこに社会の縮図が見える。

代表である山本昌知医師のモットーは、「病気ではなく人を看る」、「本人の話に耳を傾ける」、「人薬(ひとぐすり)」。精神科病棟の鍵を取り払う運動にも取り組んできた「現代の赤ひげ」とも言える彼は、患者たちが地域で暮らしていける方法を模索し続けている。

激動する社会と精神医療
映画が撮られ始めたのは小泉政権のもと、「障害者自立支援法案」が可決された2005年秋。「自己責任」や「受益者負担」のかけ声のもと、福祉政策や社会構造が激動期に突入し、患者たちの生活や将来の展望に不安が増していた。『精神』は、社会の転換期を如実に切り取る作品にもなったのだ。

『選挙』で世界を沸かせた想田和弘監督 観察映画第2弾!
監督は、ニューヨーク在住の映画作家・想田和弘。前作『選挙』に続き、ナレーション・説明・音楽一切なしで、観客が自由に考え、解釈できる作品を完成。「被写体にモザイクをかけると、偏見やタブーをかえって助長する」と考えた監督は、素顔で映画に出てくれる患者のみにカメラを向け、人間として鮮烈に描き出すことに成功した。

本作は、08年の釜山国際映画祭とドバイ国際映画祭で最優秀 ドキュメンタリー賞を、マイアミ国際映画祭で審査員特別賞を、そして香港国際映画祭で優秀ドキュメンタリー賞を受賞し、 既に4冠 を達成。ベルリン国際映画祭(09年)にも『選挙』に続き正式出品され、世界中で絶賛されている。想田観察映画が、再び世界 にセンセーションと感動を巻き起こす!

シアター・イメージフォーラム
日程終了
エリア 渋谷
住所 東京都渋谷区渋谷2-10-2 
アクセス 「渋谷駅」東口から宮益坂を上り、青山通りへ。50m程先の横断歩道を渡り、薬局とコーヒー店の間を入りすぐ。
電話番号 03-5766-0114
会場ホームページ http://www.imageforum.co.jp/theatre/
日程 2009年6月13日~2009年10月2日

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