ユネスコ「人類の口承及び無形遺産の傑作の宣言」指定 南インド・サンスクリット舞踊劇
クーリヤッタム2008

ゴーパール・ヴェーヌ~2007日経アジア賞受賞!~演出
ナタナカイラリ研究所の精鋭たち、再び!
8/10(日)
新作「砕かれた腿~ドゥルヨーダナの最期」~マハーバーラタより
8/11(月)
古典「塔門の戦い」~ラーマーヤナより
南インド・ケーララ州は豊かな伝統芸能の宝庫として、インド国内ばかりか世界にその名を知られています。中でもケーララの人々が誇るものが「クーリヤッタム」……世界最古の演劇とも称せられ、千年を超える時の流れを経ながらなお、現在に生きる芸能として脈々とこの地に長らえてきた、まさに世にも稀な芸の華です。
クーリヤッタムが初めてわが国に紹介されたのは1988年、その後1997年再来日、さらに8年を過ぎた2005年、三たび来日を果たしました。しかしこの第3回来日は、それ以前とは大きく性格を異にするものでした。
異なるところとは……そこにはアジア芸能の日本における受容の変化、またクーリヤッタム、それ自身の変貌もはたらいています、伝統と現代の狭間において……
クーリヤッタムは2001年、ユネスコの世界無形文化遺産に指定されています。それは今回来日するナタナカイラリ研究所所長G.ヴェーヌ氏をはじめとする地元識者たちが復興に努めてきた証しでした。同時に、クーリヤッタムはひとつの画期を迎えたのです。
伝統はつねに時代の新たな血を注入されることで、古き枝に接がれてはまた花開くものです。ヴェーヌ氏はこの時、初めてクーリヤッタムの創作に挑みました。グプタ朝の劇聖として今も尊崇されるサンスクリット詩人、カーリダーサの古今に知られた名作「シャクンタラー姫」のクーリヤッタム化です。
これはほんとうに新たな一里塚でした。カーリダーサは世界文学の中で不朽の名声を讃えられながら、生きているサンスクリット劇クーリヤッタムの伝統演目としては、遺っていなかったのです。しかしヴェーヌ氏は闇雲に新作創出を目指した訳ではありません。あくまでも伝統的手法、理論に則り、偉大な師、グル・アマヌール・マーダヴァ・チャーキャールの指導の下、クーリヤッタムが現代に生きる形を生み出そうと、渾身の力を傾けたのでした。
その願いは、まだ若い劇団員たちの想いとも一致し、見事に実を結びました。2005年東京公演では、日本では初めての4夜にわたる「シャクンタラー姫」通し上演が行われ、クーリヤッタムという芸能が本来もつ形態、その片鱗なりとも窺うことができました。同時に、古典演目「ジャターユの死」及び「シャクンタラー姫」〈1日版〉もこの時演じられ、岡山(美星町/岡山市)、横浜、山梨(北杜市)の各地で人びとの心を捉え、大きな反響を呼んでいます。
さらにこの日本公演は、思いがけない別の花をも咲かせました。日本が世界に誇る舞踏家、田中泯氏との出会いです。2005年公演はそもそも、田中泯氏が主宰するフェスティバル“ダンス白州2005”による招聘を核に実現したのですが、結果として舞踏とクーリヤッタム、前衛と伝統、あたかも両極端に位置するがごとき二つの芸術分野に、文豪ゲーテのいう“親和力”とでも呼ぶほかない何かがはたらいたという他、ありません。その後、フェスティバル“ダンス白州”では、2006、2007年と、クーリヤッタムの女舞“ナンギャール・クートゥ”を招き、相互の交流を深めて来ました。
また2007年1月、田中氏はケーララの“クーリヤッタム・フェスティバル”に参加、現地の人びとは初めて、《舞踏》の世界を体験しました。その折、創出のさなかにあった新作「砕かれた腿」を目のあたりにした氏は、日本上演を待望。一方この間にヴェーヌ氏が、2007年度日経アジア賞(文化部門)を受賞するなど、こうした経緯を通じ、明2008年、再びクーリヤッタムを招く機が熟したといえましょう。
“クーリヤッタム”は伝統のみを墨守する硬直化した芸能ではありません。しかし自らの根を離れ、ただ未来の形を追い求めるものでもないのです。アジアの伝統芸能者は多かれ少なかれ、この命題に直面し、精一杯に自らの命を生きようとしています。その中で、得も言われぬ香りを放つ、最も古くて新しい花、クーリヤッタムに、機会あるつど日本の皆さまに親しんでいただきたい、それが主催者の願いです。
クーリヤッタム-2008-日本上演委員会
(協力:バリ芸能研究会)
主催・協賛・後援等
◇共通主催・企画制作
クーリヤッタム2008日本上演委員会
◇後援
インド大使館/インド政府観光局/(財)日印協会/(財)ユネスコ・アジア文化センター
◇協賛
JMLセミナー入野義朗音楽研究所/ダンス白州2008
◇協力
(有)アーク/アビナヤラボ/インド文化交流センター/グループ・バドマ/(財)現代人形劇センター/コンテンポラリー・ナティヤム・カンパニー/日本ワヤン協会/バリ芸能研究会/舞踊資源研究所/横浜ボートシアター
梅若能楽学院会館日程終了
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エリア | その他23区内 |
住所 | 東京都中野区東中野 2-6-14 |
アクセス | JR総武線「東中野駅」西口より徒歩8分、地下鉄大江戸線「東中野駅」A1出口・大江戸線/丸の内線「中野坂上駅」A2/A出口よりいずれも徒歩8分 |
電話番号 | 03-3363-7748 |
会場ホームページ | http://umewakanoh.exblog.jp/ |
日程 | 2008年8月10日~2008年8月11日 |
時間 | 8/10(日) 16:00開演 8/11(月) 19:00開演 |
料金 | エリア別自由席 [正面席]前売:4,500円/当日:5,000円 [中正面席]前売:4,000円/当日:4,500円 [脇正面席]前売:3,500円(学生:3,000円)/当日:4,000円(学生:3,500円) [正面席2日通し券]一般:8,500円(前売のみ) ※整理券は、開演2時間前から会場受付で配布 |
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