会田誠:ワイはミヅマの岩鬼じゃーい!!
岩波文庫の『判断力批判』の各頁に描いたドローイングを壁一面に展開した作品、ニンテンドーDS上で相継ぐ首相辞任劇を皮肉るような作品、“日本初のロリータ少女映像マガジン”『うぶモードDVD』誌上で制作過程が公開された「犬」シリーズの絵画、2ちゃんねるの書き込みを権威的に引用した「日本語」ほか。日本の現代美術というジャンルが覚えさせる居心地の悪さに対する笑いと諦めと苛立ちのようなもの、そして作家自身が仄めかすように、予測不能な岩鬼的爆発力というより、殿馬的なサービス精神と美学と巧さを感じさせる新作展。


2008
キャンバス、アクリル絵具
72.7x60.6cm
2008年9月3日よりミヅマアートギャラリーにて、「ワイはミヅマの岩鬼じゃーい!!」 会田誠 展を開催いたします。本展は会田の国内約3年ぶりの個展です。
2006年のシンガポールビエンナーレへの参加や、昨年5月、上野の森美術館にて開催された「アートで候。会田誠 山口晃展」など、大規模な発表の傍ら、作品集の出版や、各誌への連載、映画のポスターから小説の挿絵まで、そのマルチな才能を開花させる会田の最近の活動は、北京、ロンドン、ベルリン、ニューヨークでのグループ展の参加など大きく海外にも広がっています。
これまでにも会田は多種多様な表現形態と主題を扱うことによって、鑑賞者に多方向の解釈と思考を与え、カテゴリー不能の独自の立ち位置を確立してきました。しかしその中でも、自らの生きる国や時代のアクチュアリティー、それらが抱える心の傷や闇に真摯に向き合う姿勢は一貫しているといえるでしょう。
さて、会田は最近自分のことを「ミヅマの岩鬼」と称することが多いようです。今や細密・超絶技法の梁山泊たる観さえあるミヅマアートギャラリーの作家たちを、水島新司の野球漫画「ドカベン」の打線に喩えるなら、自分は岩鬼だろう、と。まともなストライクゾーンの球には三振ばかりなのに、すっぽ抜けた悪球には喜んで飛びつきたまに場外ホームランを放つ、目立ちたがり屋でリスキーな一番打者・岩鬼正美。
展覧会を2ヶ月後に控えた現在、会田は展示のプランをまだほとんど固めていないようです。この危機的な悪条件がかえって岩鬼のような場外ホームランを生むのか、それともやっぱり三振に終わるのか。すでに42歳になり、中堅作家としてのキャリアも十分にあるにもかかわらず、会田は相変わらず新人作家のような破れかぶれな不安定感を持ち続けています。この、蓋を開けてみないと分からないリスキーなドキドキ感を多くの方々と共有したく、皆様のご来場をお待ちしております。
きっと会田は何か「サムシング・ニュー」をしてくれるはずです!
ミヅマアートギャラリー日程終了
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エリア | 神楽坂・飯田橋・江戸川橋 |
住所 | 新宿区市谷田町3-13 神楽ビル2F |
アクセス | 市ヶ谷駅5番出口より徒歩5分、飯田橋駅B2a出口より徒歩8分 |
電話番号 | 03-3268-2500 |
会場ホームページ | http://mizuma-art.co.jp/ |
日程 | 2008年9月3日~2008年10月4日 |
時間 | 11:00-19:00 |
休館日 | 日曜・月曜・祝日 |
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