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ツァオ・フェイ:I.MIRROR by China Tracy

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都市空間を舞台とした映像作品などで注目を集める作家の、ヴェネツィア・ビエンナーレ出品作品。リアルライフ(RL)と合わせ鏡の関係にある、セカンドライフ(SL)でのアバターの体験を映像としてまとめたドキュメンタリーは、現実を参照しながらもバーチャルな世界を謳歌する人々の姿を見事に描き出している。緻密に構成された3パートそれぞれを見ることで、SLとRLの様々な関係性が浮かびあがってくる。上映コーディネートは、数少ない日本のビデオアーカイブ組織であるMIACA。会場では他に、入居25団体によるフェスティバルを同時開催中。

By 橋本誠 March 13, 2008

イベント概要
Courtesy of Cao Fei and the Vitamin Creative Space

i.MIRRORは、ツァオ・フェイのアバター、チャイナ・トレイシーの半年にわたるバーチャルライフ内での放浪と出会いを綴った作品である。

作品タイトル画面によれば”セカンドライフ内のドキュメンタリー”であるが、実際にはアバター達によって演じられ、緻密に構成されている。しかしフェイ自身が述べているように、登場アバター達とは偶然に出会ったもので、”セミドキュメンタリー”といえる。
作品は3つに分かれており、セカンドライフのメトロポリス、消費主義的なランドスケープを鮮やかに切り取って見せるパート1、孤独な都会の地下鉄の駅での若い青年との出会いと交流を綴るパート2、そして静的で都市の孤独を感じさせるパート1、2と異なり、パート3ではセカンドライフの中で生を謳歌するアバター達の横顔と未来への希望、現実世界とバーチャル世界(RLとSL)でのアイデンティティとが合わせ鏡であるタイトルへの言及となっている。

ツァオ・フェイがセカンドライフについて語ったところによると、(Miguel Amado, Rhizome /James Wagner, New World Notes)
"セカンドライフの約束するものなんて私にはわからない。私に取って,セカンドライフは古い世界のシステムに覆われた新しい世界。そして現実世界と並行する鏡のような世界。私はセカンドライフを批判しているわけではない。だって、セカンドライフは我々によって作られたもので、現実世界もセカンドライフも消費主義と拡張に溢れている。
セカンドライフは人工的なデジタル世界だけれど、人々は現実の人々だし、全て人間世界と同じ。巨大なグローバルエコノミーが存在する実験場。資本主義の波が止まらないのと同じで、我々のユートピア的な共産主義への憧れも止まない。私たちは二重に生きるだけではなくて、一貫性のない存在でしょう。セカンドライフはその鏡で、ユートピアではなくイートピア(E-topia)だと思う。”

ツァオ・フェイは1978年生まれ、北京在住。2000年頃から映像作品の発表を始め、アニメキャラクターのコスチュームを着た演者たちが中国の町の中を走り回る映像 COSPlayers (2004)で注目され、中国の若手アーティストとして各国の様々なグループ展に展示された。その後シーメンスとのプロジェクトで、故郷杭州の人々の急速な近代化による様々な問題をテーマにしたWhose Utopia (2006) を釜山ビエンナーレなどで発表。2007年はベニスビエンナーレの中国館へ出展した。最も注目されるアーティストのひとり。

[ アート 現代美術 横浜市 ]

お問い合せ

ミアカビデオアーカイブ
TEL: 080-5004-1657

E-mail:

URL: http://www.miaca.org/

ZAIM
日程終了
本館地下
エリア 横浜市
住所 神奈川県横浜市中区日本大通34
アクセス みなとみらい線「日本大通り駅」より徒歩2分

JR根岸線・横浜市営地下鉄「関内駅」より徒歩5分
電話番号 045-222-7030
会場ホームページ http://za-im.jp/
日程 2008年3月17日~2008年3月24日
時間 12:00-19:00
(初日17日のみ15:00より)
料金 入場無料
休館日 会期中無休

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