4weeks

Tokyo 4 Weeks

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087:イメージフォーラム・フェスティバル2010
推薦:澤隆志
Date: April 27, 2010

イメージフォーラム・フェスティバル2010について
「ある日の送信メールから」

 

D様

ドン・ハーツフェルト『あなたは私の誇りよ』 | REALTOKYO
ドン・ハーツフェルト『あなたは私の誇りよ』
伊藤高志『甘い生活』 | REALTOKYO
伊藤高志『甘い生活』

先日は海外作家についての情報ありがとうございました。アニメマニアの方々にも是非告知ください 。『特集 手への回帰:ドローイング・アニメーションの力』 3プログラム、思いきり宣伝しようと思います。特にドン・ハーツフェルトは驚きですね! 前に来日したジョージ・グリフィンが言ってましたが、「アメリカの作家は、実験的な試みもするが伝統的なカートゥーン・アニメーションも大切にしている」と。ハーツフェルトも、若い世代(76年生まれ)なのにカートゥーン・アニメーションの遺伝子をバリバリ感じます。特にドタバタ暴力描写に。暴力の発動までの長ーーーいタメが効果的ですね。ちょうど、伊藤高志の待望の新作『甘い生活』が、まさにそのタメの間合い地獄ですばらしいんですよ。双方ともにいろんな方の感想を聞いてみたいと思います。 ありがとうございました。

 

K子さま

ハーモニー・コリン『トラッシュ・ハンパーズ』 | REALTOKYO
ハーモニー・コリン『トラッシュ・ハンパーズ』

ここずっとバタバタですみません。最近は近況アップデートはおろか、ダラチャットもなく正直心細い今日この頃です。ホント、元気ですか? 前にも告知しましたハーモニー・コリンの新作 『トラッシュ・ハンパーズ』やっと決まりました。現在鋭意字幕翻訳中です。コレ、アメリカ留学経験者なら多いに共感できると思うよ。アメリカ郊外の駐車場、不気味な街灯、乾いた路地。そこでちっさな破壊行為に耽る不気味な老人達…。

どうすか。ワクワクするでしょう。特殊メイクのマスクはフレディらしいんだけど、どう見てもカール・ゴッチだよ。その中身はコリンと現彼女と友達。ときどきタップダンスするから分かるよ。そんなユルホラーなテイストにぴったりなのがこの映画の画面の質感。全篇VHS撮影、編集なので昔の録画番組みたいでカッコイイです。

感じのいい ZINEがわら半紙コピーだったりするでしょう? そんな雰囲気。是非みて苦笑してくださいな。 で、久々本気雑談しましょう!(必死)

 

Y-レコード様

大力拓哉+三浦崇志『コロ石』 | REALTOKYO
大力拓哉+三浦崇志『コロ石』

先週はrealなosakaへご案内いただき、ありがとうございました。国内外にかかわらず、こういった地元オルタナスペースの接待って大事ですよね。楽しかった。僕もこういうの燃えるタチなんで、こんどは tokyo版をお返しします。

さてもう忘れてるかもしれませんが、その時お話したIFFの作品。あなたのような「スキマ」や「アソビ」のクリエーションを信頼されている方に是非みていただきたいのが、『コロ石』です。あそうそう、作者の2人も関西 。

彼らの作風は一貫していて、山や川、湖など(場所は特定できないようになってる)をきっちり美しい構図で撮ってて、でも中身は子供みたいな遊びとか、冗談半分、哲学半分なおしゃべりとか….。 これ結構中毒性があって面白いです。僕も夜中登山とかやるんで、歩きながらのダラしゃべりのトランス感は理解できるのですが、これを映像作品にするのは、勇気と戦略がいる事だと思った。だからプログラムタイトルも、『 本気で遊ぶ人』! 是非。

 

N村君

バリー・ドゥペ『ポニーテール』 | REALTOKYO
バリー・ドゥペ『ポニーテール』

いつも夜中にメールくれてありがとう。速レスする性格なの分かってるくせに。さて、毎年のIFFですが、今年もいろんな作品をやりますよ。君はいつも敬遠するけど、「映像アート」って僕らも言っているんだけど、アートって敷居を高く感じないで「映像アイディア」とか「画頓智」だと思ってください。いやホント。

画で見せるアイディア商品。実用性はないけれど(ない方がほめられたりするぞ)伝わるとすがすがしくなって、なんだか自分が作ったかのように思える。これも醍醐味です。アクがつよいから嫌いなものは半端なく嫌いになる。でも、後々まで話がつきないのはそういう作品だったりして、それまた財産なんですよね。

君がどっちになるかわからない作品をあえてえらぶと、コレ 、『ポニーテール』。"アミガで描かれたデイヴィッド・リンチ"って僕らが勝手にいってるんだけど、3DCGでここまで人を不安にさせる映画はありませんぜ!

 

IFF2010公式サイト:http://www.imageforum.co.jp/festival/

寄稿家プロフィール

さわ・たかし/映像作家、キュレーター。2000年から2010年までイメージフォーラム・シネマテーク、イメージフォーラム・フェスティバルのプログラム・ディレクターを務める。また、ロッテルダム、ベルリン、バンクーバー、ロカルノ等の国際映画祭や、国内美術館等にプログラム提供多数。主な映像作品に『特派員』。